IR運営大手メルコリゾーツ、香港・マカオ勤務の社員の新型コロナワクチン接種率が7割に…巨額の現金当たる抽選会参加権などインセンティブ導入

 マカオなどでIR(統合型リゾート)を運営するメルコリゾーツ&エンターテインメント社(以下、メルコリゾーツ)は、「Get the Jab」と銘打った社員向けの新型コロナワクチン接種インセンティブプログラムを導している。

 同社によれば、社員、ゲスト、地域コミュニティのための安全な環境を確保することを重要な目標として掲げ、マカオ政府が推進する免疫の壁の構築への取り組みをサポートするのが理由という。

 インセンティブプログラムには、ワクチン接種当日と翌日に有給休暇を付与し、接種を完了した場合に1人あたり1000マカオパタカ(日本円換算:約1万3700円)の支給、ワクチン接種会場へのバス送迎のほか、香港・マカオ拠点の従業員の接種率が一定の割合に達した後、1人あたり最高100万マカオパタカの現金が当たる抽選会(最高額の当選枠は6人分)への参加も含まれる。インセンティブプログラムの実施にかかる予算は約1600万マカオパタカ(約2.2億円)とのこと。

 同社は8月26日、香港・マカオ拠点に勤務する従業員のうち70%超が新型コロナワクチンの接種を終えたことを受け、同日合計300万マカオパタカ(約4110万円)の現金が当たる大抽選会を開催し、3人の当選者に各100万マカオパタカ(約1370万円)を贈呈したと発表。

 これとは別に月に一度の抽選会も行われており、これまでに数十人が現金、商品系、賞品などを手にしている。接種率約65%だった7月末の抽選会では、4人の当選者に合計50万マカオパタカ(約685万円)の現金を贈呈。今後、接種率が75%に達した際に、再び3人に対して各100万マカオパタカが当たる第二回の大抽選会を行う予定とした。

 マカオ政府は免疫の壁を構築するには接種率7割が必要との認識を示す中、目下のマカオ全体のワクチン接種率は47.3%(8月26日午後4時時点)にとどまっている。

 なお、現金を含む豪華賞品の当たる抽選会参加権を含むワクチン接種インセンティブプログラムを導入する例は香港で多く見られるが、マカオの同業内でメルコリゾーツ社が唯一となる。

メルコリゾーツが新型コロナワクチン接種インセンティブプログラムの一環として開催した巨額の現金が当たる大抽選会の様子(写真:Melco Resorts & Entertainment Limited)

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