中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は6省市区で54人…大半が北京市と杭州市=1/29

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が1月30日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月29日の中国本土における新規市中感染確認は54人(前日から17人増)だったとのこと。内訳は北京市20人(豊台区13人、大興区4人、朝陽区2人、西城区1人)、浙江省19人(杭州市)、黒竜江省8人(牡丹江市)、天津市4人(河北区3人、津南区1人)、河南省2人(安陽市1人、三門峡市1人)、雲南省1人(シーサンパンナ・タイ族自治州)。このうち北京市の2人と河南省の1人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは106日連続。市中の無症状感染例についても13日連続で出現し、黒竜江省12人(牡丹江市)、新疆生産建設兵団2人(建設兵団第4師)、河南省1人(汝州市)、新疆ウイグル自治区1人(イリ・カザフ自治州)の計16人。

 1月15日以降、北京市ではオミクロン変異株とデルタ変異株の市中陽性者が相次ぎ出現しており、それぞれ国際郵便物と輸入コールドチェーン(低温物流)物品に付着したウイルスが発端とみられる。後者は周辺5省にも波及した。北京市における1月15日から29日までの累計感染者数はおよそ100人規模に上るが、大半がコールドチェーン絡みのデルタ変異株感染で、近日は制限域内での出現にとどまっている。近日感染確認例が相次ぐ浙江省杭州市では、オミクロン変異株の伝播が出現しており、市外からもたらされた物品に付着したウイルスが発端とされている。同市の29日までの累計感染確認者数はおよそ50人規模。

 1月29日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2026人(うち輸入性が916人)で、重症者は10人(うち輸入性1人)。無症状の患者800人(輸入性678人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。目下、人の流動が増える春節(旧正月)の帰省シーズンを迎えており、各地で流出、流入への警戒が高まっている。

 このほか、マカオ特別行政区では1月29日まで112日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まったとされる。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈し、感染経路不明のケースも依然数多く存在する中、各種防疫措置が引き締め、延長となるなど緊張状態が続いている。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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