中国本土の新型コロナ新規市中感染確認は21省市区で1803人…無症状は6651人、上海市が大半=3/30

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月31日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月30日の中国本土における新規市中感染確認は1803人(前日から238人増)だったとのこと。内訳は、吉林省1340人(長春市997人、吉林市333人、四平市6人、白城市4人)、上海市355人(浦東新区252人、閔行区17人、黄浦区16人、徐匯区14人、嘉定区9人、長寧区8人、静安区8人、松江区8人、奉賢区7人、普陀区6人、青浦区5人、楊浦区3人、虹口区1人、宝山区1人)、黒竜江省19人(ジャムス市11人、ハルビン市5人、牡丹江市2人、綏化市1人)、河南省15人(周口市)、福建省11人(泉州市8人、廈門市2人、寧徳市1人)、広東省11人(深セン市6人、東莞市3人、広州市1人、珠海市1人)、浙江省10人(嘉興市4人、寧波市3人、杭州市1人、湖州市1人、紹興市1人)、遼寧省9人(瀋陽市7人、営口市2人)、河北省5人(廊坊市3人、唐山市1人、保定市1人)、江蘇省5人(塩城市2人、無錫市1人、鎮江市1人、泰州市1人)、天津市4人(西青区3人、静海区1人)、四川省3人(楽山市2人、遂寧市1人)、山西省2人(忻州市)、山東省2人(済南市1人、カ沢市1人)、湖南省2人(衝陽市1人、湘西トゥチャ族ミャオ族自治州1人)、海南省2人(海口市)、重慶市2人(南岸区1人、雲陽県1人)、雲南省2人(曲靖市1人、普ジ市1人)、内モンゴル自治区1人(赤峰市)、安徽省1人(淮南市)、江西省1人(南昌市)、新疆ウイグル自治区1人(ウルムチ市)。このうち吉林省の20人、上海市の16人、福建省の6人、黒竜江省と浙江省の各3人、天津市と遼寧省の各2人、山西省、内モンゴル自治区、江蘇省、重慶市の各1人の計56人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは166日連続。4桁となるのは19日連続。

 市中の無症状感染例についても6651人(前日から439人減)に上った。近日は高止まりが続く。内訳は、上海市5298人(浦東新区1949人、閔行区761人、宝山区506人、徐匯区385人、黄浦区347人、松江区240人、崇明区195人、嘉定区151人、普陀区142人、奉賢区123人、長寧区122人、楊浦区96人、静安区92人、虹口区83人、青浦区73人、金山区33人)、吉林省835人(長春市422人、吉林市408人、白山市3人、四平市1人、白城市1人)、福建省129人(泉州市121人、廈門市3人、ホ田市3人、福州市1人、寧徳市1人)、河北省78人(唐山市49人、廊坊市27人、秦皇島市1人、保定市1人)、安徽省66人(淮南市50人、蕪湖市9人、阜陽市3人、馬鞍山市2人、蚌埠市1人、銅陵市1人)、遼寧省42人(瀋陽市26人、営口市7人、大連市3人、葫芦島市3人、遼陽市2人、鞍山市1人)、江蘇省41人(蘇州市18人、徐州市10人、無錫市4人、南通市4人、宿遷市3人、南京市1人、鎮江市1人)、山東省25人(浜州市11人、棗荘市6人、青島市4人、済南市1人、イ坊市1人、威海市1人、臨沂市1人)、新疆ウイグル自治区23人(バインゴリンモンゴル自治州20人、昌吉回族自治州3人)、黒竜江省21人(ジャムス市12人、ハルビン市5人、伊春市2人、綏化市2人)、河南省19人(周口市14人、駐馬店市3人、鄭州市1人、新郷市1人)、浙江省17人(嘉興市9人、杭州市4人、寧波市2人、麗水市2人)、江西省11人(南昌市8人、九江市2人、カン州市1人)、広西チワン族自治区11人(防城港市6人、百色市3人、南寧市2人)、広東省8人(東莞市5人、深セン市3人)、甘粛省8人(蘭州市)、湖北省5人(考感市3人、襄陽市1人、黄岡市1人)、雲南省5人(徳宏タイ族チンポー族自治州2人、昆明市1人、臨滄市1人、文山チワン族ミャオ族自治州1人)、湖南省3人(長沙市)、天津市2人(河東区1人、西青区1人)、海南省2人(海口市)、山西省1人(長治市)、貴州省1人(六盤水市)。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況だが、近日の同省の感染確認数は低位を維持しており、状況が落ち着きつつあるとみられる。珠海市で新たに出現した感染確認例は外地から戻った人といい、市内の一部で大規模なPCR検査が実施されるに至った。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが連日4桁台が続く東北部の吉林省と華東部の上海市。目下、上海市では、3月28日から4月5日かけて、黄浦江を境に市の東・南部と西部に分けて、順番に事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施されている(現在は東・南部で展開中)。なお、吉林省の場合は感染確認(症状有り)が主、上海市は無症状が主という違いがある。

 3月30日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万8599人(うち輸入性が756人)で、重症者は66人(輸入性はゼロ)。無症状の患者5万4911人(輸入性1202人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月30日まで171日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月30日までの累計は約113.8万人(無症状含む)、死亡者数は7493人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近5日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

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