中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2.4万人…上海市が2万人超占め最多=4/7

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月8日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月7日の中国本土における新規市中感染確認は1540人(前日から256人増)だったとのこと。内訳は、上海市824人(浦東新区306人、松江区107人、閔行区96人、金山区72人、徐匯区40人、奉賢区32人、長寧区29人、楊浦区29人、虹口区26人、静安区23人、嘉定区23人、黄浦区14人、普陀区11人、宝山区10人、青浦区4人、崇明区2人)、吉林省617人(長春市474人、吉林市136人、白城市4人、白山市2人、四平市1人)、福建省20人(泉州市19人、アモイ市1人)、江蘇省13人(徐州市6人、南京市3人、鎮江市2人、蘇州市1人、塩城市1人)、陝西省11人(西安市)、北京市9人(朝陽区5人、順義区3人、海淀区1人)、浙江省8人(寧波市5人、嘉興市3人)、広東省7人(広州市3人、仏山市3人、湛江市1人)、山西省5人(太原市4人、運城市1人)、山東省5人(威海市2人、済南市1人、青島市1人、済寧市1人)、四川省5人(成都市4人、遂寧市1人)、江西省4人(南昌市)、海南省3人(三亜市)、内モンゴル自治区2人(通遼市1人、ヒンガン盟1人)、広西チワン族自治区2人(百色市)、河北省1人(邯鄲市)、遼寧省1人(瀋陽市)、黒竜江省1人(ハルビン市)、湖南省1人(邵陽市)、雲南省1人(紅河ハニ族イ族自治州)。このうち上海市の323人、吉林省の61人、福建省の14人、江蘇省の3人、浙江省、山東省、広東省、広西チワン族自治区の各2人、北京市、山西省、四川省の各1人の計412人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは174日連続。4桁となるのは27日連続。

 市中の無症状感染例についても2万2561人(前日から850人増)に上った。近日は上海市で増加傾向、吉林省で高止まりが続く。内訳は、上海市2万0398人(浦東新区8734人、閔行区2160人、徐匯区2030人、黄浦区1368人、普陀区947人、嘉定区911人、長寧区825人、松江区647人、楊浦区572人、虹口区568人、青浦区491人、宝山区407人、静安区360人、崇明区260人、奉賢区62人、金山区56人)、吉林省1649人(長春市1553人、吉林市92人、白城市2人、四平市1人、白山市1人)、河北省162人(保定市90人、邯鄲市68人、石家庄市3人、ケイ台市1人)、安徽省69人(阜陽市31人、六安市20人、淮南市16人、宿州市1人、宣城市1人)、江蘇省65人(宿遷市28人、蘇州市16人、南通市12人、徐州市3人、南京市2人、塩城市2人、泰州市2人)、山東省46人(済南市24人、威海市8人、臨沂市5人、棗荘市3人、イ坊市3人、済寧市2人、煙台市1人)、遼寧省36人(瀋陽市19人、錦州市13人、鞍山市3人、葫芦島市1人)、浙江省36人(嘉興市26人、杭州市4人、温州市4人、寧波市1人、麗水市1人)、江西省32人(南昌市30人、上饒市2人)、河南省19人(周口市16人、永城市3人)、広西チワン族自治区11人(崇左市9人、防城港市1人、百色市1人)、雲南省8人(徳宏タイ族チンポー族自治州4人、昭通市2人、紅河ハニ族イ族自治州2人)、黒竜江省5人(ジャムス市3人、ハルビン市1人、牡丹江市1人)、福建省5人(泉州市4人、福州市1人)、山西省4人(太原市)、広東省4人(仏山市2人、広州市1人、湛江市1人)、湖北省3人(武漢市)、陝西省3人(西安市)、海南省2人(三亜市)、青海省2人(西寧市)、北京市1人(海淀区)、新疆ウイグル自治区1人(ウルムチ市)。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは6日連続で、3日連続2万人超となり、流行開始後の最多を更新した。

 4月7日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万3832人(うち輸入性が479人)で、重症者は77人(輸入性はゼロ)。無症状の患者15万2693人(輸入性965人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、近日の両市の感染確認数は低位を維持している。近日の新規感染例は省外からの輸入例が主。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが東北部の吉林省と華東部の上海市。上海市では当初3月28日から4月5日の予定で事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査を実施したが、7日時点でも解除に至っていない。6日に全市民を対象としたPCR検査または抗原検査(リスク度合いにより検査内容が異なる)がスタートし、7日も継続して実施された。同市では、7日まで4日連続で1万人以上(7日は初めて同市だけで2万人超に)の感染者が出現しており、予断を許せない状況が続く中、陽性者を収容するための臨時の医療施設建設が継続して進められることも発表された。

 マカオ特別行政区では4月7日まで179日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月7日までの累計は約117万人(無症状含む)、死亡者数は8344人、死亡率は0.71%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近6日連続で新規感染確認数が5千人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主とされる。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて水際措置を含む各種防疫対策が強化されている。

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