香港の新型コロナ新規感染者数278人…14日連続500人以下、ピーク期以降の最少更新=5/7

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が5月7日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から46人減の278人(輸入性18人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が115人、迅速抗原検査経由が163人。5日ぶりに減少となり、ピーク期以降の最少を更新したほか、14日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は約119.3万人。

 新規の死亡報告はゼロとなり、第5波開始以来の累計死亡者数は9131人、死亡率は0.765%で変わらず。

 香港では、流行状況の安定を受けて、イースター連休明けの4月19日から小学校、5月3日からは幼稚園と中学校(日本でいう高校も含む)の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)となった。

 5月6日時点で対面授業を再開した学校の数は2300校超に上るが、同月3〜6日累計で105の学校から115人(学生92人、教職員23人)の陽性報告があったという。当局は、検査を受けた学生の数は72万人超、教職員の数は12.5万人超で、陽性率は想定内であり、学校における感染連鎖は未発生とした。

 また、4月21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となった。5月5日からはプール、ビーチ、水上スポーツセンター等が再開可能となり、屋外で激しい運動をする際や郊外公園ではマスクの着用義務廃止、レストランの1卓あたりの着席人数は8人に(+4人)。さらに、19日からは緩和第2段階が本格実施される予定で、バー、サウナ、クルーズ船の営業が再開可能となり、バーの営業時間は午前2時まで、1卓あたりの着席人数は最大8人まで。レストランの営業時間は午前0時までに延長(現行から+2時間)、宴会人数も120人までに拡大(+20人)。映画館ではキャパシティの85%まで入場可能となり(+35%)、飲食も認められる。

 なお、7日夕方の記者会見において、5月1日の夕食時間帯に新界・元朗地区にある火鍋店でクラスターが発生し、4人が感染したケースがあったことが明らかにされ、同時間帯に店内に居合わせた客、約190人が強制検査の対象になったという。

 5月6日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.3%(1回目の接種完了)、85.0%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。6日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は3万7669回で、7日移動平均は2万8285回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(71.21%)、70〜79歳(79.88%)、80歳以上(64.75%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  リード・エグジビションズ社は9月26日、アジアにおけるゲーミング(カジノ)・エンターテインメント…
  3.  マカオ治安警察局は9月25日、ドリンクを購入する際に高額紙幣を出し、店員を急かして混乱させる手口…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)などを運営するSJMリゾーツは9月25日、台湾のIam Creat…
  5.  イタリアの老舗ラグジュアリージュエリーブランドとして世界的に知られる「ブチェラッティ(Bucce…

ピックアップ記事

  1.  マカオの統合型リゾート(IR)運営大手のギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)は…
  2.  香港とマカオの間をおよそ1時間で結ぶ高速船「ターボジェット」及び「コタイウォータージェット」を運…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ」内に9月8日、新ホテル「W…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2023年10月号
(vol.124)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun