マカオでオミクロンBA.5の市中感染拡大続く…6/18以来の累計900人規模に=全市民対象に高頻度で検査実施

 人口約68万人のマカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、陽性者の出現が続いている。(以下、「6・18アウトブレイク」と表記)

 6・18アウトブレイクは、感染力が非常に強いオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」が市中へ流入(感染源不明)し、急速に伝播が拡大したものとされ、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超と極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月4日午後5時から会見を開き、6・18アウトブレイクに関する各種最新情報を発表。

 4日午前0時までの直近24時間にPCR検査を経て陽性が確定した人の数(市中感染事例に限る)は68人(一般市中47人、隔離対象21人)で、6月18日以降の累計は852人に。さらに、4日午前0時以降、会見までの間に55人の初歩陽性者がいるとした。累計陽性者数は900人規模に達する見通し。

 4日午後3時までに隔離の対象とされた人の数は1万2309人に上った。内訳は、陽性者852人のほか、核心濃厚接触者が2078人、非核心濃厚接触者(陽性者と居合わせた)が7701人、二次濃厚接触者が639人、一般接触者が333人、付き添い人が706人。

 マカオでは6月19日以降、全市民を対象とした義務的なPCR検査及び迅速抗原検査、さらには一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査によるスクリーニングが高頻度で実施され、いずれも多くの陽性者の発見に至った。直近では、7月4日から9日までの6日間にわたって3回(6月19日以降で4、5、6回目)の全市民PCR検査が実施されている。4回目のPCR検査受検後、9日まで1日1回の迅速抗原検査を実施することも求められる。4日午前9時にスタートした4回目の検査について、午後3時までに16万4716人が受検し、うち1万4158人が陰性と判明済みで、混合サンプル(10人分で1本)2本から陽性が検出されたとのこと。7月3日に実施された重点対象群(警備、清掃、ビル管理従事者)の検査でも38本が陽性だったという。

 当局では、6月18日以降に出現した陽性者の内訳は、一般市中が約6割、隔離対象が約3割となっており、依然として市中に伝播チェーンが存在する中、速やかに捕捉できておらず、市中における感染拡大が進む状況につながっているとの見方を示した。また、感染力が強いため、1人が感染すると家族や身近な人に伝播させやすく、近日は家庭内や同住者間で複数の陽性者が見つかるケースが多いとした。

 このほか、陽性者が出現した場所(ビル及び店舗単位)に対する局地ロックダウンや各種人流抑制措置などが講じられており、市民はここまで2週間以上にわたって不便な生活を余儀なくされている。中国広東省でもマカオからの入境者に対する水際措置が大幅に引き上げられ、両地間の相互往来が困難な状況となっている。なお、政府部門の公共サービス窓口及び銀行については、4日から約2週間ぶりに一部再開となった。一部の銀行では大行列となり、当局がソーシャルディスタンスの確保の必要性、またオンラインバンクの活用を呼びかけている。

マカオで6月19日以降4回目の実施となる全市民対象PCR検査会場の様子=2022年7月4日(写真:GCS)

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