オミクロンBA.5流行のマカオ、一般市中からの新規陽性者が8日連続ゼロに

 人口約68万人のマカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降に陽性者が相次ぎ出現している状況。(以下、「6・18アウトブレイク」と表記)

 6・18アウトブレイクは、感染力が非常に強いオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」が市中へ流入し(感染源不明)、伝播が拡大したものとされ、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超と極めて高いマカオにとっては大きな脅威だ。政府は高頻度の全市民対象PCR検査や”社会相対静止”といった厳格な防疫措置を講じ、ゼロコロナ目標の達成を目指してきた。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月31日午前、6・18アウトブレイクに関する最新情報を発表。

 7月30日24時までの直近24時間にPCR検査を経て陽性が確定した人の数(市中感染事例に限る)はゼロだった。隔離対象(局地ロックダウン対象ゾーン内及び隔離検疫ホテル)から発見に至るケースを含めてゼロとなるのは2日連続で、6・18アウトブレイク発生後で三度目のこと。一般市中からの陽性者ゼロは8日連続。

 6月18日以降の累計陽性者は1821人。

 マカオでは6月19日以降、全市民を対象とした義務的なPCR検査及び迅速抗原検査、さらには一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査によるスクリーニングが高頻度で実施されている。陽性者が出現した建物や店舗を丸ごと封鎖(局地ロックダウン)したり、接触者のホテル等専用施設への隔離も進められたきた。

 加えて、7月11日から22日まで(当初予定から5日間延長)特別防疫措置として準ロックダウンともいえる「社会相対静止」が実施され、社会運営及び市民の生活維持に必要とされる(インフラ、燃料、食料、薬局など)以外の企業・事業場所の運営をストップ。ステイホームが基本で、外出は全市民PCR検査受検や業務上必要な場合、生活物資の購入、緊急要件に限るとされ、成人はKN95規格以上のマスクを着用することが求められた。

 極めて厳格な一連の防疫措置が奏効し、近日は一般市中からの陽性者が顕著に減少。23日から8月1日まで(当初予定から3日間延長)、一般市中におけるゼロコロナ状態を確実とするための最終ステージにあたる「コンソリデーション期」へ移行ししている。ステイホーム推奨や外出時KN95規格以上のマスク着用義務(延長となった7月30日から8月1日についてはサージカルマスク規格以上に緩和)は維持されるものの、カジノ施設を含む商工業活動が同一出勤人数などの防疫要件を満たした上で部分的に再開可能に。PCR検査については全市民規模での実施は7月30、31日の2日間のみとされたが、迅速抗原検査は毎日実施し、結果報告が求められるほか、重点対象者(一部職種及び指定エリア)及び仕事で外出する人については1日1回または2日に1回のPCR検査が必須。

 政府はコンソリデーション期間の終了後、8月2日からは1週間の安定期に移行する方針を示している。安定期には、飲食店におけるイートイン、室内の改装工事、学習塾などの再開が条件付きで可能となるほか、毎日の迅速抗原検査の結果報告も不要に。ただし、30、31日かけて実施される全市民PCR検査の結果は8月1日までに判明する予定で、安定期に移行できるかどうか、また具体的な防疫措置の緩和程度については、その状況をみて判断するとしている。安定期を終えた後は、6月18日以前の防疫措置に戻る見通し。

 コンソリデーション期から安定期へ移行できるかどうかの重要な判断材料となる7月30、31日の全市民PCR検査(6・18アウトブレイク後14回目)の進捗について、31日午前8時までに45万6865人が受検し、このうち結果の判明した44万0835人分は陰性とのこと。

24時間稼働で大規模PCR検査によるスクリーニングを支えるマカオ政府衛生局公衆衛生研究所(写真:GCS)

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