中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は1675人、3日ぶり減…深圳市のオミクロンBF.15は香港から流入か=8/30

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が8月31日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月30日の中国本土における新規市中感染確認者数は349人(前日と同数)だったとのこと。内訳は四川省164人、チベット自治区45人、海南省36人、広東省25人、天津市19人、黒竜江省13人、青海省9人、内モンゴル自治区7人、重慶市7人、遼寧省5人、河南省5人、陝西省4人、山西省3人、北京市1人、河北省1人、上海市1人、浙江省1人、湖北省1人、甘粛省1人、新疆ウイグル自治区1人。このうち海南省の22人、四川省の21人、青海省の5人、チベット自治区の4人、河南省の3人、陝西省の2人、遼寧省の1人、浙江省の1人の計59人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは319日連続で、27日連続3桁となった。

 市中の無症状感染例は1326人(前日から42人減)。内訳はチベット自治区674人、四川省107人、青海省84人、遼寧省71人、黒竜江省69人、甘粛省41人、天津市38人、河北省37人、新疆ウイグル自治区33人、海南省29人、江西省27人、湖北省27人、河南省26人、広東省21人、陝西省16人、広西チワン族自治区7人、重慶市5人、内モンゴル自治区4人、山東省4人、江蘇省3人、上海市1人、安徽省1人、湖南省1人。

 無症状を含む新規感染者数は1675人で、3日ぶりに減少。ただし、21日連続4桁に。

 8月30日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は6335人(うち輸入性が501人)で、重症者は31人(輸入性ゼロ)。無症状の患者2万2787人(輸入性735人)が医学観察下にあるとのこと。

 新規感染者数の省区市別では、チベット自治区が最多の692人。無症状が大半を占め、ラサ市とシガツェ市に集中しているのが特徴。ラサ市の単日新規感染者数は300人超で、大部分が城関区から報告されたケースとのこと。

 次いで、四川省。4日連続3桁となる271人で、流行拡大期にあるとされる成都市からの報告例が190人を占めた。同市では27のバス路線が運休している模様。

 8月初頭から三亜市を中心にオミクロンBA.5の大規模な流行が出現した海南省では、このところ状況の緩和が続いており、単日新規感染確認数も前日から約30人減の65人だった。すでに三亜市では4つの臨時病院がクローズしたという。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月5日以降は連日複数の感染例が出現。30日の新規感染者数は46人で、4日連続2桁。このうち37人が深圳市から報告されたケース。同市当局は30日、先に市内で初確認されたオミクロンBF.15(BA.5の派生)感染例について、ウイルスゲノム解析の結果、香港から7月にデータベースへ登録されたものとほぼ一致したとし、香港から流入した可能性を排除できないと発表した。これを受けて、深圳市の一部で準ロックダウン状態となるなど、防疫措置の強化が進んでいる。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では8千人(輸入性含む)程度まで増加している。主流株がオミクロンBA.5に置き換わりつつある状況で、医療体制の準備も進んでいる。マカオでは6月中旬から市中でオミクロンBA.5.1の流行が続き、累計1800人超に達した。ただし、全市民を対象とした高頻度のPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる厳格な防疫措置を講じて対応した結果、8月1日までにゼロコロナ状態を実現。以降は落ち着いた状態を維持している。

中国広東省深圳市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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