香港の新型コロナ新規感染確認者数は5990人…当局「すでにピークアウト」との見方示す=9/22

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 香港衛生当局が9月22日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から286人増の5827人、輸入性は17人増の163人だった。

 市中と輸入性の合計は前日から303人増の5990人で、2日連続増加となったが、13日連続1万人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染確認数は約171.8万人。

 新規死亡報告数は17人で、年齢は55〜99歳。第5波開始以来の累計死亡者数は9721人に。

 直近の公立病院の入院患者数(新型コロナ感染者)は2290人で、このうち新規の入院患者が245人。容体は危篤が49人、深刻が41人などとのこと。

 当局は、現時点で流行は安定して緩和が続いており、2週間にわたって新規感染者数の減少が続く状況は、すでにピークを過ぎたことを反映したものとの見方を示した。また、現在の主流株はオミクロンBA.5に置き換わっており、過去7日間の上昇幅は6.7%と鈍化が見受けられ、全体に占める割合が最高点に近づきつつあるとのこと。入院患者数と新規入院患者数も減少傾向が続き、段階的に緊急性を要しない医療サービスを再開すると同時に、状況に応じて新型コロナ患者の収容も可能とする機動的体制を保持するとした。

 香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬からは主流株のオミクロンBA.5への置き換わりが進んだことで、目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後には、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。リバウンドの出現を受けて、ソーシャルディスタンス措置については追加緩和の見合わせが続いたが、中秋節連休明けに目立った感染確認数の増がなく、減少傾向を維持する中、再び緩和ムードが盛り上がりをみせている。

 新規市中感染例に占める変異株の割合について、最新データではBA.4/5の合計が84.9%となっており、BA.5に限ると78.36%とのこと。

 9月22日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は94.0%(1回目の接種完了)、91.6%(2回目の接種完了)、77.0%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化やワクチンパス制度の導入を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。22日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万0030回で、7日移動平均は2万5165回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(16.14%)、3〜11歳(83.66%)、70〜79歳(82.96%)、80歳以上(71.03%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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