中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2.7万人…広東省が約9千人で最多=11/20

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月21日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月20日の中国本土における新規市中感染確認者数は2277人(前日から73人増)だったとのこと。内訳は広東省984人、重慶市231人、四川省217人、河南省161人、北京市154人、山西省120人、内モンゴル自治区92人、江蘇省56人、雲南省37人、陝西省29人、山東省26人、浙江省23人、福建省20人、甘粛省18人、新疆ウイグル自治区18人、黒竜江省17人、遼寧省15人、貴州省10人、青海省9人、天津市6人、吉林省6人、上海市6人、湖北省6人、江西省5人、海南省4人、湖南省3人、河北省2人、チベット自治区1人、寧夏回族自治区1人。このうち広東省の600人、重慶市の56人、四川省の32人、甘粛省の18人、浙江省の12人、北京市の11人、陝西省の11人、山西省の10人、河南省の7人、青海省の6人、遼寧省の5人、江蘇省の3人、福建省の3人、内モンゴル自治区の2人、黒竜江省の2人、山東省の2人、湖南省の2人、海南省の2人、雲南省の2人、寧夏回族自治区の1人の計787人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は2万4547人(前日から2536人増)。内訳は広東省8101人、重慶市5898人、甘粛省1173人、河南省1050人、新疆ウイグル自治区893人、内モンゴル自治区832人、北京市808人、河北省734人、山東省647人、陝西省637人、四川省612人、青海省530人、山西省518人、湖北省325人、黒竜江省280人、広西チワン族自治区232人、吉林省210人、天津市192人、江蘇省189人、湖南省178人、雲南省95人、遼寧省75人、浙江省69人、寧夏回族自治区58人、安徽省56人、貴州省56人、上海市33人、福建省22人、江西省14人、チベット自治区14人、海南省12人、新疆生産建設兵団4人。

 無症状を含む新規感染者数は2万6824人で、3日ぶり増。また、10日連続5桁(1万人超え)となり、6日連続で2万人を上回った。上海市での大規模なロックダウンをはじめ、各地で目立った再流行が出現していた時期と同水準。

 11月20日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万2210人(うち輸入性が660人)で、重症者は107人(輸入性ゼロ)。無症状の患者20万8514人(輸入性1138人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月20日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日と同数。このうち広東省(9085人)、重慶市(6129人)、河南省(1211人)、甘粛省(1191人)の4省区が4桁に上ったほか、北京市(962人)、内モンゴル自治区(924人)、新疆ウイグル自治区(911人)、四川省(829人)、河北省(736人)、山東省(673人)、陝西省(666人)、山西省(638人)、青海省(539人)、湖北省(331人)、黒竜江省(297人)、江蘇省(245人)、広西チワン族自治区(232人)、吉林省(216人)、天津市(198人)、湖南省(181人)、雲南省(132人)の17省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増し、流行開始以来最悪の状況を迎えている。20日の新規感染者数は前日から453人減の9085人で、3日連続1万人以下に。依然として大半が広州市からの報告例。同市の流行はオミクロンBA.5.2によるものとされる。市内では海珠区に報告例が集中しており、同区の広い範囲で準ロックダウンに相当する厳格な防疫措置が再延長を繰り返しながら22日まで実施される見通し。また、白雲区でも21日から25日までの間、準ロックダウン措置が講じられることも新たに発表となった。公共交通機関が運休、学校の対面授業も中止に。省内その他はマカオに隣接する珠海市をはじめ、深圳市、仏山市などからの報告例。

 このほか、オミクロンBF.7が流行しているとされる北京市では11日連続3桁となる962人で、前日から5割超の増。社会面から発見に至ったケースも266人に上った。市中伝播だけでなく、市外から同市入りした人の感染報告も増加しているという。河北省でも感染例が増加し、大半が石家庄市からの報告例。同市の多くの区で21日から25日にかけて全民PCR検査によるスクリーニングが実施される模様。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。マカオについては長期にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。ただし、マカオ市中では14日に2人、16日に1人、18日に1人の陽性者(輸入性及び輸入関連性)が相次いで出現し、このうち2人が広東省珠海市からの輸入性。さらに、珠海市での検査で発見に至った陽性者の中にマカオ訪問歴があったケースも複数出てきている。当局は感染経路が明瞭であることなどから市中伝播リスクは低いとの見方を示しているが、珠海市からの入境にあたって制限を強化する動きもある。また、19日朝には江蘇省蘇州市から珠海市を経てマカオ入りした観光客の女性1人の陽性が明らかとなり、宿泊先のホテルが封鎖に。過去数日にわたってマカオ各地を訪れていたといい、患者の立ち寄り先周辺の複数エリアを対象に5日間で4回のPCR検査を求める通知が出された。これまでのところ市中への伝播は確認されていない。

中国広東省深圳市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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