マカオ、建設中・設計段階のホテルは23軒、約6200室分…2022年4Q

 近年、マカオでは新興埋立地のコタイ地区及びマカオ半島の新口岸地区を中心に大型カジノIR(統合型リゾート)、ホテルを含む複合ビル等の建設ラッシュが続く。コロナ禍でやや遅延が生じていた計画もあったが、状況に目立った変化はないようにうかがえる。

 マカオ政府土地工務局は2月9日、昨年第4四半期(2022年10〜12月)時点で建設中のホテルが12軒、設計段階(5年以上更新のないプロジェクト含まず)のものが11軒あり、供給客室数は前者が4753室分、後者が1459室分に上ることを明らかにした。昨年第3四半期と前年同時期との供給客室数を比較すると、建設中のホテルで横ばいと23.43%減、設計段階で横ばいと21.85%減に。(エリア別内訳は文末のデータ参照)

 マカオ政府統計調査局の資料によれば、今年9月末時点で営業中のホテル数は前年同時期から5軒増の123軒(新型コロナの影響で一時休業中及び隔離検疫用として利用中のホテルの客室分は含まず、以下同)、客室供給数は3.2%減の3.75万室となっている。

 昨年12月時点では、一部ホテルが隔離検疫施設として利用されており、通常とは異なる状況のため参考比較とするが、昨年12月末の数字に建設中及び設計段階の数を加えると、将来的にホテル数が146軒、客室供給数が4.37万室で、前者が16.2%増、後者が16.6%増という規模となる。

 マカオのホテル開発をけん引するのがカジノIR運営会社だ。今年1月に新たなカジノ運営コンセッション(10年間)がスタートしたばかりで、事業者の顔ぶれは従来と変わらず。新コンセッション下で新たな計画が出てくる可能性もありそうだ。

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られ、2019年の年間インバウンド旅客数は過去最多の約3940万人、平均客室稼働率は90.8%に上った。

 しかしながら、コロナ禍に見舞われた2020年以降はインバウンド旅客数の減に伴うホテル客室稼働率の低迷が続いた。昨年通期のインバウンド旅客数は前年から26.0%減の570万0339人、平均ホテル客室稼働率は11.7pt下落の38.4%だった。

 なお、マカオは昨年12月から事実上のウィズコロナ政策に転換し、今年1月8日に水際措置が大幅緩和された。以降、インバウンド旅客数は急回復している状況。

【資料】
2022年第4四半期時点で建設または設計段階のホテルデータ(エリア別)
<マカオ半島>
・建設中:9軒 1000室
・設計段階:8軒 617室
<タイパ島>
・建設中:1軒 126室
・設計段階:1軒 301室
<コタイ地区>
・建設中:2軒 3627室
・設計段階:1軒 84室
<コロアン島>
・建設中:なし
・設計段階:1軒 457室

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

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