2022年マカオのカジノ運営6社の赤字合計は約6千億円に…前年から92%拡大

新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環として、マカオでは2020年1月下旬から厳格な水際措置が講じられ、インバウンド旅客に対する依存度の高いカジノ業界の業績にも大きな影響が及んだ。

マカオの昨年(2022年)通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)は前年比51.4%減の421.98億パタカ(日本円換算:約6954億円)にとどまり、新型コロナの影響が生じて以降の最低に。コロナ前にあたる2019年比では86.5%の大幅減。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

昨年末時点のマカオのカジノ施設数は30軒で、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ6つの民間事業者が運営。4月25日付のマカオ政府公報に6陣営=SJM社、ウィンリゾーツマカオ社、ヴェネチアンマカオ社(サンズチャイナ)、ギャラクシーカジノ社(ギャラクシーエンターテインメントグループ)、MGMグランドパラダイス社(MGMチャイナホールディングス)、メルコリゾーツマカオ社の昨年(2022年)の業績が掲載された。

これによれば、2021年はギャラクシーカジノ社のみ黒字を確保できていたが、2022年は6社すべてが赤字となり、6社の赤字合計は前年から92.9%増の368.52億パタカ(約6073億円)に。個別の赤字額は下記の通り。

・SJM社:79億パタカ(約1302億円)
・ウィンリゾーツマカオ社:58.44億パタカ(約963億円)
・ヴェネチアンマカオ社:124.9億パタカ(約2058億円)
・ギャラクシーカジノ社:29.25億パタカ(約482億円)
・MGMグランドパラダイス社:47億パタカ(約775億円)
・メルコリゾーツマカオ社:29.4億パタカ(約485億円)

6社の赤字合計は2020年が330億パタカ(約5438億円)、2021年が191億パタカ(約3148億円)で、コロナ禍3年間の累計赤字は889.52億パタカ(約1兆4659億円)に上った。

マカオは昨年12月から段階的に事実上のウィズコロナ政策へ転換し、今年1月8日には水際措置が大幅緩和されるに至った。以降、インバウンド旅客数の急回復が続いている状況で、GGRもこれに比例して戻してきている。今年1〜3月累計のGGRは前年同時期から94.9%増の346.42億パタカ(約5709億円)。2019年同時期の5割近くにあたり、4月終了時点で前年通期の実績を上回る勢いとなっている。

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