マカオで電子身分証の運用はじまる…スマホアプリで表示

 マカオには日本のマイナンバーカードに相当するマカオ特別行政区居民身分証(マカオ居民IDカード)が存在する。身分証制度法が改正、施行されたことに伴い、きょう(6月30日)から「電子身分証」の運用がスタートした。

 マカオ政府身分証明局(DSI)によれば、電子身分証はマカオ永久性居民身分証またはマカオ非永久性居民身分証を持つ約74.4万人が適用対象になるという。政府が運営するスマートフォン用の公共サービスアプリ「一戸通(ワン・アカウント)」のアップデートにより「電子身分」機能が追加され、紐付け作業を行うことでアプリ画面に電子身分証が表示できるようになる。

 電子身分証画面には、従来のカード券面と同じくID番号、氏名、生年月日、性別、現行IDカードの発行日と有効期限の情報と身分証情報読み取り用のQRコードが表示される。偽造やなりすまし防止策として、紐付け手続き時に顔認証、以降の電子身分機能へのアクセス時に4桁のパスワードを設定できるようになっており、電子身分証画面では画面全体に動く透かしが入り、QRコードは5秒ごとに更新、また秒単位の現在時刻表示などが盛り込まれてている。

電子身分証について説明を行うマカオ政府身分証明局の周偉迎局長=2023年6月29日(写真:DSI)

 電子身分証は役所など公共機関のほか、金融機関や通信会社の窓口での手続き時などに自身のスマートフォンでQRコードを提示し、相手方に読み取らせることで本人確認書類として使用できるとのこと。政府は応用範囲を段階的に拡大する考えを示している。また、出入境用のQRコードをアプリ内で生成することで通関手続きにも対応する(6つのイミグレーション施設にある自動化ゲート及び有人ゲート184レーンで使用できるが、「一地両検」を行う一部イミグレーション施設の3ドアタイプのレーンは対象外)。なお、マカオ永久性居民身分証保有者は同身分証を利用して香港の出入境手続きを行うことができるが、香港ではマカオの電子身分証に対応しておらず、従来通り実体カードが必要になる。

 マカオでは、すでに昨年10月から自動車運転免許証と車両保険情報の電子化が実現しており、同じく「一戸通」アプリ上で提示が可能となっている。マカオ政府は電子政務の推進を目標として掲げており、近年は次々にオンラインを活用した新サービスが登場するなど、急速に利便性が向上している。

電子身分証の画面表示イメージと偽造防止策(マカオ政府身分証明局制作のインフォグラフィックより抜粋)

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