マカオから中国本土へ自家用車使い冷凍肉や中古バッテリー密輸企図した運び屋相次ぎ摘発

 マカオ税関(マカオ税関)は8月21日、同月17日から20日の期間、マカオと広東省との陸路の玄関口となる複数のイミグレーション施設(横琴及び關閘)にある自家用車用出境ゲートの税関検査場で自家用車を使った違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)3件を相次ぎ摘発したと発表。

 税関検査で発見に至った密輸品の内訳は加工食品20箱(37.84キログラム)、冷凍肉340キログラム、中古バッテリー700点とのこと。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた中古バッテリー(写真:澳門海關)

 3件とも税関のリスク管理システムの予備警戒アラートや事前に得ていた情報をベースに調査対象とした自家用車で、いずれも運転手は税関職員に対して申告物なしと告げたが、その後の車両に対する詳細検査で車内から無申告の物品の発見に至ったもの。一部は座席下やトランクに隠したり、黒いビニール袋で覆うなどの偽装工作が認められたという。

 当該物品は輸出にあたり申告や検疫を要するが、いずれの運転手も有効な書類を提示できず、31〜40歳の運転手3人を対外貿易法違反=最大5万パタカ(約90万円)の罰金=で起訴するとともに、車両の越境通行許可証の取り消し手続きを進めているとした。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた冷凍肉(写真:澳門海關)

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2023」を展開する中、税関でも運び屋行為及び、来歴不明の食材のマカオ流入に対する警戒を強化して臨んでいるとした上、中古バッテリーは保管状態により自然発火を起こし火災につながる可能性もあり、これを密輸することはイミグレーション施設の安全上のリスクにもなるとし、市民に対して物品の出入りに関する法令の遵守、また運び屋行為に関与して報酬を得ることなどないよう重ねて呼びかけを行った。

 年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の種別では中古スマートフォン、中古バッテリー、パソコン用のパーツなどが目立つ。

 近年、マカオ登録の自家用車が比較的簡単な手続きで広東省に乗り入れ可能となる政策が導入されたことを受け、マカオと中国本土との間の自家用車での往来が増えている。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた加工食品(写真:澳門海關)

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