マカオから中国本土へ自家用車使い乾燥フカヒレや冷凍肉の密輸企図した運び屋相次ぎ摘発

 澳門海關(マカオ税関)は9月9日、同月5日から7日の期間、マカオと広東省との陸路の玄関口のひとつ、横琴口岸(イミグレーション施設)にある自家用車用出境ゲートの税関検査場で自家用車を使った違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)を3件摘発したと発表。

 期間中の税関検査で発見に至った密輸品の内訳は冷凍牛肉665キログラム、乾燥フカヒレ340キログラムとのこと。

 いずれも税関のリスク管理システムによる予備警戒アラートを通じて調査対象とした自家用車の車両の後部座席やトランクから発見されたものという。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた乾燥フカヒレ(写真:澳門海關)

 3件に関与した運転手3人はマカオ人と香港人(28〜51歳)で、税関では全員を対外貿易法違反=最大5万パタカ(約90万円)の罰金=で起訴するとした。

 年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の種別では中古スマートフォン、中古バッテリー、パソコン用のパーツ、食材などが目立つ。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた乾燥フカヒレ(写真:澳門海關)

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2023」を展開する中、税関でも運び屋行為に対する警戒を強化して臨んでいるとし、市民に対して物品の出入りに関する法令の遵守、また運び屋行為に関与することなどないよう重ねて呼びかけを行った。

 近年、マカオ登録の自家用車が比較的簡単な手続きで広東省に乗り入れ可能となる政策が導入されたことを受け、マカオと中国本土との間の自家用車での往来が増えている。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた冷凍牛肉(写真:澳門海關)

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