マカオの女子大生が巨額の電話詐欺被害…銀行が気付き一部送金ストップに成功

 マカオ司法警察局は11月4日、同局と銀行の連携により詐欺被害の食い止めに成功した事案があったと発表。

 同局によれば、同月3日にマカオ半島北区にある銀行から「80万パタカ(日本円換算:約1483万円)の現金を持ち込み口座に入金したいという女性客1人が窓口へ来たが、職員が当該口座に疑わしい送金記録があることに気づいて客に入金目的を尋ねたところ要領を得ない返事があり、詐欺被害者の可能性がある」との通報が寄せられたとのこと。

 通報を受け、同局詐欺対策部門の警察官が現場へ向かい、当該女性客と接触。女性はマカオの大学生で、10月31日に上海公安部門を名乗る人物から電話を受け、犯罪捜査への協力を依頼され、これを詐欺と思わず相手の指示に従ってテレビ通話及びスマートフォンの画面共有機能をオンにした状態で”オンライン調査”が行われ、オンラインバンクアカウントの情報やSMSで届くワンタイムパスワードを相手方に伝えたなどと説明。また、女性はすでに当該口座に17万パタカ(約315万円)を入金済みで、この日は母親が家中に保管していた現金80万パタカを持って銀行を訪れていたという。

 同局では、今回のケースでは先に入金した17万パタカはすでに騙し取られていたが、さらなる被害の拡大を阻止することに成功したとし、銀行の窓口などフロントラインスタッフは常に詐欺に対する警戒を維持し、公衆に対しても詐欺への注意、また個人情報及び財産の安全を守る意識を高めるよう呼びかけた。

 このほか、今年(2023年)1〜6月に銀行の不審送金阻止メカニズムによる詐欺被害送金の阻止に成功した事案は7件、180万パタカ(約3337万円)分に上ったことを明らかにした。今年1〜9月にマカオの学生が(中国の公的機関を名乗る)”公検法詐欺”の被害に遭った件数は73件、被害額は2100万パタカ(約3億8937万円)で、被害学生の多くが中国本土からの留学生だったとのこと。

マカオ司法警察局による記者会見の様子=2023年11月4日(写真:マカオ司法警察局)

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