マカオのカジノで偽造チップ行使…中国人犯罪グループの男女5人逮捕、被害額約2280万円

 マカオ司法警察局は11月20日、偽造ゲーミング(カジノ)チップをカジノ施設で行使したとして、中国人の男女5人(いずれも中国本土居民)を逮捕したと発表。

 同局によれば、同月18日深夜にコタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設のカジノ施設からチップの定例検査を行った際に額面5万香港ドル(日本円換算:約95万円)の偽造チップが24枚見つかり、120万香港ドル(約2280万円)の損失が発生したとの通報が寄せられたとのこと。

 同局カジノ犯罪担当部門による捜査で、男女数名のグループが関与したことが判明。一部メンバーがカジノテーブルで偽造チップを行使してのベッティング及び現金との両替を実行し、残りのメンバーが場内で指揮や見張り役を担っていたという。これを受けて、同局とカジノ施設の警備員が18、19日かけて当該カジノ施設内、同IR併設ホテルのロビー及び客室内で被疑者5人を相次ぎ逮捕。同時に、計108万香港ドル(約2052万円)分の本物のチップを押収した。

 同局の調べに対し、5人全員が容疑を否認し、うち4人は他人から指示を受けてチップをカジノで両替し、成功すればそれぞれ1万香港ドル(約19万円)の成功報酬が得られる約束だったが、偽造チップとは知らなかったとし、残る1人は逮捕された人物2人と一緒にカジノ施設へ入っただけで本件については知らないと供述したとのこと。

 同局では、捜査結果を総合的に判断した結果、上述の5人による組織的犯行である形跡が濃厚であるとし、全員を組織犯罪及び相当巨額詐欺罪で検察院送致するとともに、他にも本件に関与した人物がいるとみて追跡を進めているとした。

 カジノチップはカジノテーブルでベットする際に使われるツールで、テーブルで額面の異なると両替したり、カジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで容易に額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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