マカオで香港ドル模擬紙幣に絡む両替詐欺事件発生…被害額約340万円、中国人違法両替商の男女2人逮捕

 マカオ司法警察局は12月9日、同月7日に「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の香港ドル模擬紙幣を用いた両替詐欺を行ったとしてマカオで換銭党と呼ばれる違法両替に従事する中国人(中国本土居民)の40代の男女2人を相当巨額詐欺罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 同局によれば、7日夜にコタイ地区の統合型リゾート(IR)併設ホテルの客室で貨幣両替に絡む詐欺事件が発生したとの通報があったとのこと。被害者によれば、手持ちの人民元をカジノプレイに使うため香港ドルに両替しようとSNSのチャットアプリのグループチャットを通じて(違法)両替商とアポを取り、自身が宿泊する客室内に男女2人が来るかたちで対面取引を行ったが、相手方指定の銀行口座に人民元を送金した後、受け取った香港ドルを確認したところすべて練功券だったことに気づき、取り押さえてホテルの警備員経由で警察へ通報したというもの。被害額は合計約16万8300人民元(約340万円)だったという。

 警察の調べに対し、被疑者の男はSNSのチャットグループを通じて知り合った見知らぬ人物と一緒に事に臨むことになり、途中で女と合流してから現場へ向かったなどと供述。女は練功券を同日午後に広東省珠海市で入手したものとし、両人とも成功報酬目当だったと説明

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがある。

 練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、今年10月下旬以降からは頻発している状況で、同局が累次の注意喚起を行っている。

 昨今マカオのカジノ施設内外においては換銭党が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。

12月7日に発生した模擬紙幣に絡む両替詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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