タイからマカオへ空路ヘロイン密輸…インドネシア人の男逮捕、”無料旅行”の罠か

 マカオ司法警察局は12月11日、同月9日にヘロインを手荷物の中に隠してマカオへの密輸を図ったとしてインドネシア人の自称運転手の男(27)を麻薬密売罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 同局によれば、国際麻薬密売グループによる空路を利用した密輸情報をもとにマカオ国際空港へ向かう航空便の搭乗客に対するチェックを強化して臨む中、タイ・バンコクからマカオへ向かうフライトに搭乗していた上述の男を不審人物としてマークするに至ったとのこと。当該フライトのマカオ到着後、空港詰めの警察官が男の身柄を拘束すると同時に、携行品に対する検査を実施したところ、バックパック内の隙間からアルミホイルとリフレクターで包装された違法薬物とみられる物品が発見され、その後の同局の検査でヘロインであることが判明。重量は2548グラム、末端価格にして約365万パタカ(日本円換算:約6600万円)相当に上る分量という。

 男は同局の調べに対し、インドネシアで同国人の友人から無料でタイ旅行に招待され、バンコクに数日間滞在した後、宿泊先のホテル外で見知らぬ男から400米ドル(約5.8万円)の旅費と衣類、バックパックを受け取ってマカオへ向かうことになり、到着後に次の指示がある予定だったが、違法薬物の運搬に関わったことは否認し、全く事情を知らないなどと供述したとのこと。

12月4日午後2時半頃、同局がマレーシアの首都クアラルンプールからマカオ国際空港へ到着した旅客の中からランダムチェックを実施した際、上述の男は携行品の検査はパスしたが、ボディスキャナーでの検査で体内に大量の不審な物品を隠し持っている可能性が浮上し、男は同局の調べに対し、体内に薬物を隠していることを認め、報酬目当てで他人から指示を受けて運んだと供述したとのこと。

 同局では、今回見つかったヘロインについて、最終輸送先はマカオではなかったとの見方を示し、犯罪組織がマカオを中継地点として利用している可能性も排除できず、流通先や関係する人物の追跡など捜査を継続するとした。

 なお、マカオでは最近アフリカと南米などから東南アジア経由、また米国から台湾を経由して空路マカオに到着した外国人が粉末や液状のコカインを密輸するケースが相次いで摘発されている。

インドネシア人の男によるヘロイン密輸事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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