マカオ、2023年11月の平均ホテル客室稼働率は82.3%…1〜11月累計では81.0%

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。

 インバウンド旅客数が低迷した主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年(2023年)1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数は急回復している。

 今年11月のインバウンド旅客数は前年同月から604.9%増、前月から6.3%減の258万3597人、今年1〜11月累計では前年同期比375.8%増の2526万9073人。4月終了時点で昨年通期を超過。また、そこからわずか1ヶ月の5月終了時点で昨年の2倍に達し、さらに6月終了時点で1千万人の大台を突破。2千万人突破までは4ヶ月かからず、回復の勢いが続いていることがうかがえる。

 マカオ政府統計調査局は12月29日、今年11月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率は82.3%で、前年同月から43.7ポイント(pt)上昇、前月からは0.5pt下落。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から47.2pt上昇の82.7%、4つ星が37.9pt上昇の81.5%、3つ星が40.3pt上昇の80.4%、2つ星ホテルが37.6pt上昇の88.9%、エコノミー宿泊施設が30.7pt上昇の76.1%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が26.4%増、4つ星ホテルが28.3%増、3つ星ホテルが23.5%増、2つ星ホテルが18.0%増、エコノミー宿泊施設が39.8%増だった点も考慮する必要がある。

 今年11月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から22軒増の141軒、供給客室数は26.3%増の4.63万室あり、このうち5つ星ホテルが5軒増の38軒で、供給客室数は全体の60.0%を占める2.78万室。

 今年11月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比194.5%増の120.2万人。このうち中国本土からの旅客が173.8%増の88.2万人、香港からの旅客が788.2%増の15.4万人、台湾からの旅客が980.8%増の2.7万人。一方、コロナ禍インバウンド低迷期にステイケーション需要等で稼働率の下支えをした地元マカオ客は28.5%減の4.3万人。前年同月は約200人だった日本人旅客は約7800人に。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日短い1.6日。

 今年1〜11月累計の平均客室稼働率は前年同時期から43.0pt上昇の81.0%、ホテル宿泊客数は162.9%増の1224.5万人、平均滞在時間は0.1日短い1.7日。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は10月4日、同月2日にコタイ地区の統合型リゾート(IR)施設内でゲーミング(カ…
  2.  マカオ司法警察局(PJ)は10月4日、年間最大の多客期のひとつにあたる国慶節ゴールデンウィーク期…
  3.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進んだ昨年(2023年)から歩行者による禁止場所で…
  4.  マカオは面積約32平方キロ(東京の山手線の内側の約半分に相当)、人口約68万人という小さな地域だ…
  5.  マカオ政府金融管理局が10月3日に公表した今年(2024年)8月の貨幣・金融統計の中で、マカオの…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年10月号
(vol.136)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun