マカオ、IR施設で発生した置き引き事件の捜査きっかけに無認可宿泊施設摘発

 マカオ治安警察局は4月6日、コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設ショッピングモール内で発生した置き引き事件の捜査をきっかけに無認可宿泊施設の摘発及びオーバーステイの人物の発見に至ったと発表。

 前月(3月)29日、訪マカオ旅客からコタイ地区のIR内にある店舗でショッピングをしていた際、店外の長椅子に掛けていたバッグのファスナーが何者かに開けられ、中に入っていた1万4000香港ドル(日本円換算:約27万円)相当のポーチがなくなっているのに気づき、何者かに盗まれた可能性があるとの通報が寄せられたとのこと。

 通報を受けた同局がIR施設の監視カメラ及び「天眼」と呼ばれる公共エリアの監視システムを活用して被疑者2人(いずれも60代の中国本土居民)の身元を特定し、翌日コタイ地区内で逮捕に成功。2人のうち1人が2人で共謀してやったなどと犯行を認める供述をしたという。

置き引きに関与したとして逮捕された男2人(写真:マカオ治安警察局)

 その後、被疑者2人が滞在していたマカオ半島皇朝エリアのマンションの一室の捜索において、被害者から届け出のあった品を発見に至ると同時に、室内には滞在先にはベッドが12台置かれ、中国本土居民の8人(男女各4人)が滞在しており、うち女1人がオーバーステイだったことが発覚したとのこと。また、別の女1人が滞在費を徴収していたこともわかり、この女は見知らぬ女から無償で滞在できると声をかけられ役目を担うことになったと供述。当該物件について、宿泊施設の許認可を管轄する旅遊局の調査を経て無認可宿泊施設であることが確定したため、入口を閉鎖済みとした。

 同局では、置き引きに関与した男2人を窃盗罪で、無認可宿泊施設で滞在費の徴収役を担った女を違法入境・違法滞在者隠匿罪でそれぞれ検察院送致する方針。

無認可宿泊施設内で発見された滞在費徴収役の女(右)とオーバーステイが発覚した女(写真:マカオ治安警察局)

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