マカオ税関、着衣の下に隠す手口の中古スマホほか密輸事案相次ぎ摘発

 澳門海關(マカオ税関)は4月12日、各イミグレーション施設で検査体制の強化を図り、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対して厳格な取り締まりを行う中、同月3日、10日、11日にかけてボディスキャナの活用による着衣の下に隠す手口密輸事案を4件摘発したと発表。

 税関によれば、摘発があったのは關閘と青茂のイミグレーション施設で、発見に至った密輸品はコスメティック製品45点、中古スマートフォン96台、CPU48点とのこと。すべてマカオから中国本土への持ち出し(密輸出)事案。

4月10日に発見された中古スマートフォン50台を着衣の下に隠して密輸出を図った事案(写真:澳門海關)

 それぞれのケースについて、各イミグレーション施設にある税関検査場の「申告物なし」レーンを通過しようとした際に不審点があったことから税関職員が呼び止め、金属探知ゲートやボディスキャナによる検査を実施した結果、着衣の下や靴の中に密輸品を隠していたことが発覚したもの。

 上述の4件の密輸に関わったのは4人で、30〜70歳のマカオ居民及び中国本土居民。税関では、全員を対外貿易法違反で起訴済みとした。

4月3日に発見されたコスメティック製品45点を着衣の下に隠して密輸出を図った事案(写真:澳門海關)

 2023年初頭のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、着衣の下に隠す手口では中古スマートフォンやコスメティック製品の密輸が特に目立つ。

 税関では、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守、また報酬を目当てに物品を隠したり偽装したりして運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨む姿勢を示した。

4月11日に発見されたCPU48点を着衣の下に隠して密輸出を図った事案(写真:澳門海關)

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