マカオ、1世紀の歴史を持つ「新中央ホテル」が華麗にリニューアルオープン

 マカオ歴史市街地区の中心に位置する新馬路に面して建つ「新中央ホテル(Hotel Central)」がおよそ8年間に及ぶ大規模リノベーションを終え、きょう(4月30日)ソフトオープンを果たした。

 新中央ホテルは今から約1世紀前の1928年にオープン。当時マカオで最高層、また初めてエレベーターが設置されたビルとしても知られ、マカオ随一の社交場として輝きを放っていたという。近年は老朽化が進み、かつての栄光は見る影もなくなっていたが、2016年に地元ディベロッパーの力行グループが約20億香港ドル(日本円換算:約400億円)の巨費を投じて買い取った上、抜本的な再生プロジェクトに取り組んできた。

マカオ歴史市街地区のメインストリート新馬路に面して建つ「新中央ホテル」=本紙撮影

 このほど生まれ変わった新中央ホテルは、香港の著名ホテルインテリアデザインオフィスの鄭中設計事務所(CCD)を起用し、全館が往時の栄華を今に伝えるクラシカルな雰囲気で統一。客室は5階から10階までの5フロアに114室あり、6つの客室タイプ、またフロアごとに異なる時代(5・6階が1920年代、7・8階が1930年代、9・10階が1940年代)を再現したテーマ設定に。ネット接続環境やスマホと連携する客室コントロールシステム等、最新鋭の設備も導入されている。

 共用部の特筆すべき見どころとして、屋上(11階)に新設された展望台(Historical Sightseeing Promenade)からマカオ歴史市街地区を見渡す360度パノラマビューを楽しめることが挙げられる。

1920年代をテーマにした6階にある2ベッドタイプの客室=本紙撮影

 このほか、館内にはかつてマカオ有数の高級中国料理レストランとして名を馳せた「パレス(碧麗宮)」も復活オープンし、ノスタルジックな雰囲気の中で伝統的な中国料理とモダンな西洋料理の要素を融合させたオリジナリティあふれるメニューを提供するとのこと。

 抜群のロケーションにあり、かつ歴史に裏打ちされたユニークのコンセプトで華麗なリニューアルを果たしたばかりだが、直近の多客期にあたるゴールデンウィークの価格設定は抑えめとなっており、コストパフォーマンスの高さでも注目されそうだ。ホテル客室の設備や館内施設、サービスの詳細については公式ホームページ(https://www.hotelcentral.com.mo/)で確認できる。

屋上にある展望台から望むマカオらしい夜景=本紙撮影

※次ページにその他の写真有

次のページ:

1

2

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局は5月20日、今年(2024年)3月の飲食業と小売業に関する景気調査結…
  2.  マカオ政府統計調査局は5月20日、今年第1四半期(2024年1〜3月)及び通期の旅客消費調査(ギ…
  3.  マカオ市政署は5月20日、マカオ半島北部に位置する公設市場で建物外観の色から「紅街市(レッドマー…
  4.  中国共産党中央香港マカオ工作弁公室主任で、中国政府の香港マカオ政策担当部門にあたる国務院香港マカ…
  5.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社がマカオ特別行政区の成立25周年を記念して…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun