マカオ衛生当局が市民にデング熱予防対策呼びかけ…高リスクシーズン到来受け

 マカオ政府衛生局(SSM)は6月12日、マカオでデング熱伝播の高リスクシーズンを迎えているとし、市民に対して予防対策を呼びかけた。

 同局によれば、マカオではこのところ断続的に降雨が続き、室外の容器に水が溜まりやすくなっていることに加えて気温も高く、デング熱を媒介するヒトスジシマカが発生しやすい状況にあり、前月(5月)の蚊の繁殖指数(誘蚊産卵器指数)結果は極めて高く、広くマカオにヒトスジシマカが分布していることを意味するとし、輸入性事案をきっかけにした域内でのデング熱伝播リスクが高まっているという。今年の東南アジア諸国・地域におけるデング熱流行は極めて深刻であり、市民に対してマカオ域内での予防対策のみならず、外遊時においても対策を強化して臨み、マカオへ戻った後にデング熱感染とみられる症状を自覚した場合には、速やかに医療機関を受診してほしいとした。

 なお、マカオにおける前月の蚊の繁殖指数は64.7%で、前年同時期の58.2%、また過去5年の同時期平均の51.8%を大きく上回っているとのこと。近隣地区における今年累計のデング熱感染確認例はシンガポールが7900例、マレーシアが5万4882例で、それぞれ前年同時期の2倍、41%増といい、香港や広州でも輸入性ではない域内発生事案が確認される中、これから夏の旅行シーズンにかけて伝播リスクが高まるとの見通しを示した。

 同局では、予防策の一環としてマカオ域内における蚊の駆除に取り組んでおり、前月だけで4000ヶ所以上の巡回を実施しているとした。

 マカオにおける今年に入って以降のデング熱感染確認例は2月末と5月初頭の2例で、いずれも輸入性事案(患者にそれぞれマレーシア、ブラジル渡航歴)だった。

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)=本紙撮影

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