マカオ、無認可宿泊施設の摘発で違法両替従事、密入境、オーバーステイの中国人発見…地元の男2人が経営

 マカオ司法警察局は9月16日、カジノ施設内外で暗躍する人物らが無認可宿泊施設に滞在しているとの通報を受け、同月13日にマカオ半島とタイパ島にあるマンションの8室に対して摘発を実施したと発表。

 このうち4室から中国本土居民21人が見つかり、うち4人が換銭党と呼ばれる違法両替従事者、1人が密入境、1人が125日間のオーバーステイだったことが発覚したとのこと。

 密入境の男は今年(2024年)1月にマカオで高利貸し及び監禁で逮捕され、8年間のマカオ入境禁止措置が講じられたが、今年7月に港珠澳大橋人工島から密入境を図り、見知らぬ人物の紹介で金銭を支払って当該マンションの一室に滞在し、カジノ客へのゲーミングチップの手配などで生計を立てていたなどと供述。

 また、その後の同局の捜査で、4室は賃貸物件で、名義はすべてマカオ人の男で、この男が友人で不動産仲介業に従事するマカオ人の男と組んで家主から借り受け、無認可宿泊施設を経営して滞在者から徴収した金銭を分配していたことが分かったことから、2人を逮捕するに至ったという。

マカオ司法警察局による無認可宿泊施設に対する摘発の様子(写真:マカオ司法警察局)

 同局は違法両替従事の男4人を追放処分としたほか、無認可宿泊施設経営の男2人を非法滞在者蔵匿罪、密入境の男を非法入境罪でそれぞれ検察院送致し、密入境の男についてはすでに禁錮6ヶ月の判決を受け服役中とした。このほか、上述の4室は宿泊施設を管轄する旅遊局による調査で無認可宿泊施設であることが確認されたため、封鎖措置が講じられたとのこと。

 マカオではアフターコロナで社会の正常化が進む中、コロナ禍で沈静化していた無認可宿泊施設や違法両替商などが再出現している状況で、これらが犯罪の温床になる存在として警察当局が取り締まりを強化して臨んでいる。

詳しい調査のためマカオ司法警察局に身柄を移送される無認可宿泊施設滞在者ら(写真:マカオ司法警察局)

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