マカオ、当地チクングニア熱感染確認例が2日連続出現…新興埋立地「新城A区」の工事現場と関連

 マカオ政府衛生局(SSM)は8月2日夜、同日マカオ域内で新たに1例の当地チクングニア熱感染例を確認したと発表。

 チクングニア熱はネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介する感染症で、マカオでの感染確認例出現は2日連続。前日も当地感染例だった。年初来の感染確認例は今回のケースを含めて8例となり、内訳は当地感染が2例、輸入性感染例が6例。

 同局によれば、今回感染確認された患者はマカオ人の女性(34)で、マカオ半島の中央に位置する東方斜巷のマンション「群康大廈」に居住し、前日の感染確認例と同じマカオ半島北東沖に造成中の新興埋立地「新城A区」にある工事現場で勤務。7月30日に四肢に発疹が現れ、症状が持続するとともに、8月1日に顔面に発疹、また発熱が出現したため、同日私立総合病院の鏡湖醫院を受診し、同院で実施した検査結果が2日に判明し、チクングニア熱に感染していることが確認されたとのこと。目下、患者の容体は安定しており、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院で隔離治療を受けているという。

 疫学調査を通じ、女性は7月13日から21日に旅行で日本を訪れていたこともわかったが、同局では患者が日本滞在中に蚊に刺されたことはなく、マカオへ戻った後の22日から29日までの間、26日午後と27日を除いて上述の工事現場で勤務しており、この工事現場については、広東省珠海市から越境通勤する多くの作業員がチクングニア熱感染確認されたと中国本土側から通報が寄せられていたことから、前日マカオで当地感染確認された患者と同様、勤務先の工事現場が感染場所であるとの見方を示した。

 当該工事現場は7月30日から作業を中止し、環境改善が進められているといい、8月2日午後にかけて、新城A区全体を対象とした化学防蚊措置が講じられた。同局では、患者の住居周辺における蚊の駆除作業を実施するほか、市政署がマカオ域内における蚊の駆除を強化して臨んでいる。最近、マカオに近い広東省仏山市の順徳区を中心に多数のチクングニア熱感染例が出現していることを受け、同局が臨床症状、伝播方式、予防方法が似たデング熱と併せて予防と対策に関する注意の呼びかけを行っている。

 このほか、8月2日には香港でも今年初のチクングニア熱感染確認(輸入性)があり、患者は広東省仏山市から戻った男児(12)とのこと。

新城A区の工事現場における蚊の駆除作業の様子(写真:SSM)

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