非マカオ籍労働者15万人突破ー建設業好調で

経済成長が続き、人材需要が高いマカオでは非マカオ籍労働者数が右肩上がりに上昇している。今年5月時点の非マカオ籍労働者数は15.2万人に達し、中でも建設業で最も急増しているという。建設業関係者によると、六大カジノ企業によるコタイ地区の新リゾート建設プロジェクトが同時に進められていることから、今後も増えるだろうとする。

7月8日付地元有力紙「澳門日報」が伝えた。マカオの非マカオ籍労働者数は昨年(2013年)末の時点で13.7万人だったが、今年5月に15.2万人まで増え、毎月平均2,900人のペースで増えている。今年中には16万人、あるいは17万人を突破する見通し。業界別ではホテル及び飲食業に携わる非マカオ籍労働者が4万人近くと最も多く、ついで建設業の3.7万人。今年1〜5月の間に建設業に従事する非マカオ籍労働者数は1万人を超える急増となっており、新増者全体に占める割合は75%にも達した。

建設業関係者によると、マカオの若者は就業環境の比較的安定した職種への就職を希望する傾向にあり、建設業の現場で働く人はごく少数という。そんな中、六大カジノ企業による新リゾート建設が一斉にスタートし、非マカオ籍労働者を雇用せざるを得ない状況になっているという。また、建設業では管理職の不足も深刻化しているといい、中長期的に見てマカオの建設業に影響を及ぼす可能性も指摘。政府に対して業界の将来のためにも人材育成政策を考慮するよう希望しているとする。

建設業に従事する非マカオ籍労働者の多くがマカオと比較して住居費の安い広東省珠海市に暮らしており、そこから路線バスを使ってコタイ地区の建設現場へと通勤する。上述の関係者によると、マカオ市民の通勤、通学ラッシュ時間帯と重なることから、バスの混雑などが激化している状況を受け、特に朝の時間帯でのマカオと珠海の間の通関時間の前倒しなどを検討するよう求めて行きたいとのこと。

マカオの総人口は約60万人であることから、非マカオ籍労働者の占める割合は非常に大きい。ラッシュ時の混雑をはじめ、地元市民の日常生活にも影響を及ぼす事象も増えている。

サンズチャイナ社がコタイ地区で建設を進める新リゾート「パリジャン」(資料)—本紙撮影

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