MCE利益21%減ー第2季業績

マカオのカジノライセンス持つカジノ六社の一角で、シティ・オブ・ドリームズ マカオなどを運営するメルコ・クラウン・エンターテインメント(以下、MCE)は8月7日、今年(2014年)第2季の財務監査前業績を発表。純売上は前年同期比7%減となる12億米ドル(日本円換算:約1,221億円)で、ローリングチップ売上の下落が主要因。

第2季の調整後プロパティEBITDAは11%減の3.136億ドル(約319億円)となり、総体ローリングチップベット及びローリングチップウィン率が低下したことによる。しかし、マスゲーミング(平場)部門は成長しており、全体のマイナス分を打ち消す効果があったとしている。

米国会計基準に基づくMCEに帰属する当期純利益は21%減の1.436億米ドル(約146億円)。当期純損失に占める非支配持ち分は1,700万米ドル(約17億円)で、スタジオ・シティとシティ・オブ・ドリームス マニラに関するもの。

MCEのローレンス・ホー共同会長兼CEOによると、グループ傘下のシティ・オブ・ドリームズ マカオのマスゲーミングテーブルによる売上は前年同期比38%増で、第2季業績安定化に寄与したとコメント。グループでは継続してゲーミングテーブルと客室の最適か戦略を推し進めていくとし、今後より多くのカジノテーブルをシティ・オブ・ドリームズ マカオへ集中させる方針を明らかにした。また、最近同リゾート2階に新たにフード・エンタテインメント施設をオープン、今後も2016年にかけてラグジュアリーリテール区画を増築する計画もあり、吸引力の向上と客層の拡大を図りたいとしている。

今後の開業計画については、フィリピンのシティ・オブ・ドリームズ マニラが間もなく開業日程を発表できるだろうとしたほか、同社がマカオのコタイ地区で手がける2番目の大型プロジェクトとなるスタジオ・シティは2015年中予定とのこと。

MCEは取締役会で5億米ドル分の自社株買い付けを行うことも発表。余剰金については適宜自社株買い付けや現有事業の運転資金、将来的な発展のために充てるなど、柔軟性を持たせた運用をしていくとしている。

メルコ・クラウン・エンターテインメント社が運営するカジノ付き大型IR(統合型リゾート)施設、シティ・オブ・ドリームズ(資料)=マカオ・コタイ地区—本紙撮影

メルコ・クラウン・エンターテインメント社が運営するカジノ付き大型IR(統合型リゾート)施設、シティ・オブ・ドリームズ(資料)=マカオ・コタイ地区—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…
  2.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…
  3.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土では5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴ…
  4.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  5.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun