マカオの通年カジノ売上伸長率6〜8%か—中国の反汚職施策影響

ここ数ヶ月の間、マカオのカジノ売上の伸長幅が縮小傾向にある。あるカジノ業者によると、今月(8月)のカジノ売上も依然として低迷しており、最近仲介業を含む多くの業者がカジノ施設周辺のテナントから退去している状況が見受けられるという。マカオ政府が今年7月1日から導入した中国パスポート保有者に対する入境制限により、以前のように顧客が容易にマカオへ渡航できず、顧客数の減少による仲介業者の自然淘汰が進んでいるようだ。

8月24日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。中国パスポート保有者に対する入境制限に加え、中国本土の反汚職キャンペーンによる取り締まりなども続いていることから、今年(2014)年の通年カジノ売上について、2桁増は難しく、6-8%程度の伸びにとどまるのではないかとしている。また、最近カジノ運営企業がマスゲーミング(平場)事業の拡大を積極展開するといわれる中、前述の関係者は今年についてはマスとVIPの売上比率は3対7を維持できのではないかとの見方。

野村證券が先に発表したレポートによると、8月のマカオの1日あたりゲーミングテーブルネットウィンは先週微減となり、先週末締めで9.04億パタカ(日本円換算:約117.47億円)、月間カジノ売上は前年同月比4%減〜1%増となる295.2〜309.6億パタカ(約3,835.98〜4,023.10億円)と予測する。また、VIPカジノについては中央政府による反汚職キャンペーンが続いていることから、今年中に上昇に転じることはないだろうとしている。

野村證券では夏季シーズンが過ぎた後、1日あたりゲーミンテーブルネットウィンは8.5億パタカ(約110.45億円)まで下落すると見込む。一方で、現時点でのマカオのカジノ運営企業の株価は割安感があるとした。マスゲーミング部門の拡大が著しいことから、2015年の年間配当率は6〜8%に達し、今後12ヶ月間に平均23%の株価上昇余力があるとみている。

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