マカオ国際空港、埋没回避へ「以遠権」に活路 バンコク=マカオ=パラオ線反応良好

マカオ国際空港の周辺には香港、広州、シンセンの国際空港をはじめ、中国国内線を中心とした珠海空港があり、アジア最大の空港過密地帯といわれている。2016年にも開通予定の香港とマカオを結ぶ海上橋、港珠澳大橋は香港国際空港を起点とし、マカオまで30分で往来可能となる。より規模の大きい香港国際空港が実質的なマカオの玄関口となり、マカオ国際空港が埋没する可能性も指摘されている。

マカオ国際空港では、LCC(格安航空会社)の誘致に積極的に取り組むなど、香港国際空港との役割分担を睨んだ生き残り策を進めている。香港国際空港は発着枠が限界に近づいている現状もあり、その受け皿として捉える見方もあるという。

もうひとつ、マカオ国際空港が新たな活路として注目しているのが「以遠権」だ。以遠権とは、自国から相手国を経由して、相手国からさらに先にある別の国への区間についても営業運航を行なう権利を指す。今年(2014年)9月、タイのアジアン・エアがバンコク(ドンムアン)とパラオ(コロール)の間をマカオ経由で結ぶフライトを新規就航(6日に1便のチャーター扱い)し、地元紙の報道によると「マーケットの反応は良好」という。機材はボーイング767-200で、座席数は全席エコノミーで約250席。

マカオ国際空港では、マカオだけを目的地としないことでリスク回避できる上、マカオ人の所得向上による海外旅行意欲が増大していること、広東省含む空港周辺人口の多さなどをアピールし、航空会社に対して新規乗り入れをアピールしていきたい考え。

今月18日、台湾とマカオの間を結ぶ4社目、初のLCCとなるタイガーエア台湾が就航を果たした。台北、高雄とマカオの間をそれぞれ1日1便、3便運航する。

マカオ国際空港に駐機するアジアン・エアのボーイング767-200型機(写真:マカオ国際空港)

マカオ国際空港に駐機するアジアン・エアのボーイング767-200型機(写真:マカオ国際空港)

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