マカオの高校生、過半数以上が海外の大学へ進学希望=経済発展で教育熱高まる

マカオの民間教育団体がマカオ青年研究協会に委託して実施した地元高校生に対する意識調査の結果、過半数以上が海外の大学へ進学したいとする希望を持っていることが明らかになった。

地元有力紙「澳門日報」が12月23日紙面で報じた。調査はマカオ居民(マカオ居留権保有者)の高校生を対象にした電話による聞き取り形式で実施され、845人から回答を得たという。このうち、海外の大学へ進学したいと答えた割合が53%で、地元で進学したいとした35%を上回った。また、マカオの教育制度に対する満足度については、平均65点だったという。

調査を担当したマカオ理工学院の李教授は、マカオの教育制度には改善すべき点があると分かり、学生の才能を伸ばし、隠れた人材を発掘する工夫も必要だと語った。また、学生が国際的な有名大学にスムーズに進学できるよう、国際化に対応したカリキュラムも取り入れることも検討しなくてはならないとした。

マカオでは、近年の急速な経済発展に伴い、教育熱が高まっている。国際的なカリキュラムに沿ったカリキュラムを導入し、英語で授業を行うインターナショナルスクールの人気も急上昇しているとのこと。

マカオには公立総合大学のマカオ大学をはじめ、およそ10の高等教育機関がある。マカオの高校生の主な海外進学先として、中国本土、台湾、香港、英国、ポルトガル、米国、カナダ、オーストラリアなどが挙げられる。

マカオの高校に通う男子学生のフォンさんに話を聞くと、マカオで難関校とされる一部の高校には中国本土の有名大学の指定校推薦枠割り当てがあるという。この枠には成績優秀者が応募できるが、そこを是が非でも狙いたい人と、全く興味を示さず欧米行きを志向する人にタイプが分かれるとのこと。自身も海外の大学へ進学を希望しており、行き先は米国、香港、日本などが候補。テレビドラマや漫画を通じて日本のキャンパスライフを知る機会があり、関心を持ったとのこと。地元の大学へ進学し、交換留学制度などを利用して海外で学ぶ選択肢もあり、両親と相談しながら検討中だそうだ。

マカオ唯一の公立総合大学、マカオ大学(資料写真)=横琴新区(写真:澳門大學)

マカオ唯一の公立総合大学、マカオ大学(資料写真)=横琴新区(写真:澳門大學)

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