マカオ税関、蛇頭手引きの中国人密航者ら8人検挙=渡航目的は観光や賭博

マカオ税関は1月21日、マカオのコロアン島蝙蝠洞近くの海岸で不法滞在の男女8人を検挙したことを明らかにした。検挙者はいずれも中国大陸出身で、7人が不法上陸、1人がオーバーステイで、中国本土へ戻るため蛇頭の手配した密航船を待っていたところだったという。

1月21日午前1時頃、マカオ税関の沿岸パトロール隊員がコロアン島の蝙蝠洞付近を巡回していた際、付近の海岸に近づいてくるモーターボートがいることに気付き、すぐに税関の巡視艇に追跡するよう指示したが、モーターボートは速度を上げて逃げ去ったという。その後、パトロール隊員が付近の山中及び海岸を捜索したところ、疑わしい8人の男女を発見。8人は職務質問に対して「中国本土へ戻るための密航船を待っていた」と説明したといい、税関が身柄をした。

税関の取り調べで、8人のうち7人が不法上陸者、1人がオーバーステイであることがわかった。不法上陸の7人は、数日前にマカオに隣接する珠海市から蛇頭が用意したモーターボートでマカオへ密航したといい、1人あたり5000-1万5000人民元(日本円換算:約9万5000-28万5000円)の密航費を蛇頭に支払っていたという。また、オーバーステイだった者については、2012年に中国本土からマカオへとこうするためのパスポートにあたる通行証を使ってマカオへ入境した以来、マカオで不法滞在を続けていたとのこと。8人の出身地は中国の江蘇省、江西省、広東省、浙江省で、マカオ渡航目的については観光や賭博と供述しているという。

マカオは1999年12月20日にポルトガルから中国へ返還され、中華人民共和国マカオ特別行政区となったが、以後も独自の入境管理や通関事務を行っている。2003年に中国本土から香港、マカオを訪れるための個人旅行ビザ発給がスタートしたが、渡航頻度、滞在期限などに制限が多く、違法な就労やカジノ賭博、観光などを目的とした不法上陸やオーバーステイが後を絶たない。昨年(2014年)上半期の不法滞在者がおよそ3万7000人に達しており、大きな社会問題となっている。

マカオ税関に身柄を拘束された中国本土出身の不法滞在者=1月21日(写真:澳門海關)

マカオ税関に身柄を拘束された中国本土出身の不法滞在者=1月21日(写真:澳門海關)

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