マカオのVIPカジノ仲介業者、カンボジアへ進出相次ぐ=中国富裕層を送客

マカオの月次カジノ売上が昨年(2014年)6月から今年1月まで8ヶ月連続で前年割れとなっている。マカオのカジノ売上の大半を稼ぎ出すのがVIPカジノだが、中国本土の反汚職キャンペーンの拡大などを受け、主要顧客基盤である中国本土富裕層が同じ中国にあるマカオでのギャンブルを避ける動きもみられる。

マカオの日刊紙「澳門日報」が2月10日付紙面で報じた。昨今、主に中国本土富裕層ギャンブラーをVIPカジノへ斡旋する業務を手がけるマカオの仲介業者の中には、閉鎖や合併を余儀なくされているところもあるという。マカオ政府博彩監察協調局が公表した2015年のカジノ仲介業ライセンス数は183となり、2011年以来で最少となった。一方、一部マカオのVIPカジノ仲介業者は、マカオ以外のカジノへ活路を見出している現状もある。

香港メディアの報道によると、カンボジアの首都プノンペンでカジノ施設「ナガワールド」を運営する香港証券取引所上場企業のナガコープ社が、マカオのカジノ仲介業大手のアジアンネーション、サンシティグループの2社とパートナーシップを締結し、さらに今後2ヶ月以内に別の2社とも契約を行う見通しという。

ナガコープ社の李維徳最高財務責任者(CFO)によると、同社の昨年通年のローリングチップ売上は前年比35%増の61億米ドル(日本円換算:約7230億円)に達したという。アジアンネーション社が昨年8月にカンボジアへ進出して以来、数ヶ月の間で6.27億米ドル(約740億円)のローリングチップ売上を記録したことを挙げ、これがナガコープ社の好業績に直結したとの見方を示した。マカオの大手仲介業者の1ヶ月の平均ローリングチップ売上は200億米ドル(約2兆3700億円)とされてり、プノンペンは依然として開拓余地の大きいマーケットであるとした。マカオの2015年1月のカジノ売上は前年同期比18%減となったが、ナガワールド社のカジノ売上は上昇を続けているという。

国際カジノ見本市「マカオゲーミングショー(MGS)」に出展したサンシティグループの展示ブース(資料)=2014年11月—本紙撮影

国際カジノ見本市「マカオゲーミングショー(MGS)」に出展したサンシティグループの展示ブース(資料)=2014年11月—本紙撮影

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