マカオ新交通システム、開業時期と総予算メド立たず=担当相が謝罪

4月16日のマカオ立法会の施政弁論大会において、マカオ政府運輸工務庁のライムンド・ロザリオ長官がマカオ新交通システム(マカオLRT)第1期プロジェクトの開業時期と総予算のメドが立っていない現状について謝罪する一幕があった。

目下、マカオLRTの要ともいえる車輌基地の建設を請け負う業者が工事をストップしており、解決に向けた交渉も長期化の様相を呈している。高架橋や駅舎部分の工事、車輌の量産などは進んでいるが、車輌基地がなければ試運転もままならない。工事の長期化に伴う建設費の増大も懸念要素となっている。

マカオLRTはマカオ初となる軌道系交通機関で、第1期プロジェクトはマカオ半島北部の關閘から外港フェリーターミナル、新口岸、南灣湖を経由して媽閣に至るマカオ半島線、媽閣から西灣大橋を経てタイパ島に入り、コタイ地区を通ってマカオ国際空港、タイパフェリーターミナルに至るタイパ線の2線、21駅、21キロメートル。

マカオLRTの第1プロジェクトは、国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を46億8800万パタカ(日本円換算:約688億円)受注した。東京の「ゆりかもめ」と同タイプ(クリスタルムーバー型)の日本製の車輌がマカオの街を走る予定。

なお、マカオ政府監査委員会が今年(2015年)1月に公表した政府運輸インフラ局内部資料によると、当初開業予定は今年4月6日だったが、2013年12月までに15回の延期を繰り返し、2017年9月5日とされていた。

マカオ立法会施政弁論大会に出席したマカオ政府運輸工務庁のライムンド・ロザリオ長官(中央)=4月16日(写真:GCS)

マカオ立法会施政弁論大会に出席したマカオ政府運輸工務庁のライムンド・ロザリオ長官(中央)=4月16日(写真:GCS)

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