マカオ、現職警察官が電子カジノマシン不正行為で約640万円詐取…カジノ運営会社勤務経験を悪用

マカオ司法警察局は9月14日、カジノ施設内の電子ルーレットマシンで不正行為をし、カジノ運営企業に少なくとも44万8000香港ドル(日本円換算:約640万円)の損害を与えたとして、現職のマカオ治安警察局所属の警察官の男(32)を巨額電脳詐欺の疑いで逮捕したと発表した。

逮捕された警察官の男は、2001年下半期から2017年3月まで事件のあったカジノ施設を運営する企業の電子ゲーミングマシンメンテナンス職として勤務していた経験があるという。その後、警察官採用試験を受けてマカオ治安警察局に採用され、タイパ島の海島警務廳に配属されていた。

マカオ司法警察局の発表によれば、8月27日にカジノ運営企業から不正行為に関する通報があったという。同月21日、カジノ運営側が電子ルーレットマシンでベッティング中の男が不審な行為をしているのに気づいたとのこと。その後の調査で、この男が7月23日から8月21日のうち12日にわたってカジノ施設に出入りし、不正行為を97回していたことが判明。マシンのメンテナンスの際に使用するカードを使って管理画面を呼び出し、ゲームの勝敗履歴を操作するという手口だったとのこと。

通報を受けた司法警察局が被疑者の身元を割り出し、13日午後5時にイミグレーション施設の出境ホールで身柄の拘束に成功。男はカジノ運営企業退職時に、後日犯罪に利用することを想定して管理画面にアクセスできるカードを持ち出していたとみられるとした。

マカオ治安警察局では、今回の現職の警察官による違法行為に関して厳粛に対処するとし、すでに当該警察官を停職とし、懲戒調査手続きに着手しており、法律に基づいて徹底的に責任を追及するとの声明を発表した。

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

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