マカオ当局とカジノ運営会社が定例会議開催…カジノに関する事件や新興犯罪手法への対策で交流

 マカオでカジノ関連犯罪を管轄する司法警察局では、カジノ監理を管轄する博彩監察協調局とともに、カジノ運営ライセンスを保有する運営会社6社の代表とカジノで多発する事件や新たな犯罪手法に関する情報交流、カジノ犯罪に対する予防と取り締まり措置の検討と現行体制の効果測定について議論することなどを目的とした定例会議を開催しているという。

 司法警察局は11月10日、同月8日に司法警察局本部で博彩監察協調局、消防局、カジノ運営6社の代表31人が参加した定例会議を開催したと発表。

 司法警察局によれば、今年(2019年)1〜10月のカジノ犯罪件数は前年同時期から増加したとのこと。このうち、カジノ施設内では、高利貸し、窃盗、詐欺、偽造紙幣など多種類の犯罪が確認されたという。なお、カジノ施設内での窃盗の件数は減少傾向にあるが、中国本土における大型連休時期に事件が集中し、主にギャンブラーがギャンブルに熱中して身の回りの品への注意が薄らいだ隙が狙われており、人混みの窮屈な場所で発生したものが多かったとするデータもあり、カジノ運営6社と情報共有を行い、予防対策を進めるよう申し出をしたとのこと。

 このほか、司法警察局が高利貸し及び「換銭党」と呼ばれるカジノ施設内外で違法な貨幣両替に従事する者に対する取り締まりを抜き打ちで実施しており、検挙者に対してカジノフロアへの予防的入場禁止措置を講じたことで、威嚇効果による一定の成果が現れたとした。

 司法警察局では、今後も定例会議を通じてカジノ関連犯罪対策の見直しと改善を定期的に行い、当局と業界が共同でカジノ施設内の秩序と治安環境の維持に努めたいとしている。

マカオ当局とカジノ運営6社による定例会議の様子=2019年11月8日(写真:マカオ司法警察局)

マカオ当局とカジノ運営6社による定例会議の様子=2019年11月8日(写真:マカオ司法警察局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun