香港、新型コロナ市中感染確認8日連続ゼロ…輸入性は6人、うち1人は自宅で隔離検疫中のロシア領事館員=10/16

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港政府の発表によれば、10月16日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は6人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると8日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者6人はいずれも香港政府が高リスク(カテゴリーA)に指定しているロシア(1人)、フィリピン(2人)、英国(2人)、インドネシアから香港へ到着。全員新型コロナワクチンを2回接種済みで、5人がL452R変異株感染(残る1人は検査結果待ち)とのこと。

 ロシアから到着の患者は、在香港ロシア領事館員の男性(55)。10月5日にロシアからフィンランド経由で香港入りして以降、香港島東部の西灣河地区にある自宅で自己隔離を行っており、期間中に受けた検査結果が陽性となり感染確認に至ったもの。通常、海外からの入境者は指定ホテルまたは検疫施設で隔離検疫を受ける必要があるが、領事館員については特例として自宅での隔離が認められている。なお、患者の自宅のあるマンションは、一時局地ロックダウンの対象となり、全住民約830人に対する強制検査が実施されたが、新たな感染確認はなかった。

 フィリピンとインドネシアから到着の3人は就労目的。香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。当該国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降に相次いで出現している。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は10人以下という。

 香港における過去14日間(10月2〜15日)累計の新規感染確認は64人で、内訳は輸入性事案が63人、市中感染事案(感染経路不明)が1人。ここまでの累計感染確認数は1万2292人(擬似事案1人含む)。

 香港の10月15日午後8時時点のワクチン接種率は67.6%(1回目の接種完了)、64.2%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は887万4919回、1日あたり接種回数は1万9419回(7日移動平均値1万0502回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数が落ち込む日もあり、ここまで未達成が続いている。なお、10月に入って以降、台風の接近に伴い複数日にわたって市内各所に設けられた接種ステーション一部時間帯または終日クローズを余儀なくされた。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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