マカオ政府が新たに日本を含む4ヶ国からの入境者を強制検疫の対象に…新型コロナ流行急拡大受け

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月8日午前、ドイツ、フランス、スペイン、日本において近日新型コロナウイルス感染症の流行が拡大しているとし、伝染病予防法の規定に基づき、14日以内に4ヶ国のいずれかに滞在歴があるすべての入境者に対して強制検疫を実施すると発表。

 具体的には、3月8日正午以降、イミグレーション施設から市内に設けられた医学検査ステーションに移送され、医学検査を経て入境可否が判断されることになる。検査にかかる時間は約6〜8時間で、検査忌避はできない。また、3月10日正午以降は、検疫レベルが引き上げられ、旅客(非居民)についてはマカオ政府が指定する隔離施設(ホテル)で14日間の医学観察を受ける必要が生じ(マカオ政府または衛生局によるその他防疫措置を講じる可能性も含む)、滞在費用は自己負担となる。マカオ居民(「マカオ居民IDカード」保有者)は自宅での医学観察も認められるが、間取りなど政府が定める条件を満たす必要がある。

 14日以内に韓国、イタリア、イランの3ヶ国のいずれかに滞在歴があるすべての入境者についても、すでに医学観察の対象となっている。また、14日以内に中国本土の「広東省、河南省、浙江省、湖南省、安徽省、江西省、江蘇省、重慶市、山東省、四川省、黒龍江省、北京市、上海市」のいずれかに滞在した旅客が医学検査ステーションにおける医学検査の対象。武漢市含む湖北省については、1月27日から合法医療機関が発行した医師による新型コロナウイルス未感染証明書の提出が必須化されている。

マカオ市内に設置された医学検査ステーションのイメージ(写真:GCS)

 本稿執筆時点(3月8日午後10時40分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は武漢からの旅客が7人、マカオ人が3人。3月6日までに10人全員が治癒し退院済み。直近の新規感染確認は2月4日で、33日連続で新規感染確認ゼロが続いている。

 マカオ政府は1月後半以降、一連の春節祝賀イベントやMICEイベントの中止、世界遺産含む文化施設の一時休館、カジノ及びレジャー・娯楽施設の一時休業(カジノは2月5日から19日まで、レジャー・娯楽施設は同日から3月1日まで)といった観光都市としての魅力をあえて消すと同時に、中国本土及び他の高発生地区(現時点では韓国、イタリア、イラン)との往来を物理的に制限すること、マカオ住民に対しても全学校の休校(継続中)や政府窓口の一時休止(3月2日から限定的に解除)を含む不要不急の外出を控えさせる策などを講じることで、これまでのところ流行阻止に成功している。

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