マカオカジノ大手SJM、16年H1減収減益=市場シェア2割確保

マカオのカジノ経営ライセンスを保有する6陣営の一角にあたるSJMホールディングスは8月8日、今年上期(2016年1〜6月期)の業績を発表した。

同社発出の資料によれば、上期の売上は前年同期比20.6%減の211.33億香港ドル(日本円換算:約2789億円)、調整後EBITDAは27.8%減の16.34億香港ドル(約216億円)、利益は38.7%減の10.97億香港ドル(約145億円)となった。

減収要因として、売上の大半を占めるカジノ売上が20.7%減の208.84億香港ドル(約2756億円)にとどまったことが挙げられる。部門別では、マスゲーミング(平場)テーブルによる売上が11.5%減、VIP売上が28.5%減、スロットマシン売上が8.3%減で、いずれもマイナスに。マカオ市場全体の上半期のカジノ売上は11.5%減だったことから、同社の不振が目立つ格好となった。

なお、マカオのカジノ市場におけるシェアは20.0%を確保した。マスゲーミング市場では23.1%、VIP市場では18.4%。

SJMホールディングスは「マカオのカジノ王」ことスタンレー・ホー氏が率い、2002年まで40年間にわたってマカオのカジノ経営権を独占していた老舗カジノオペレーター。「リスボア」ブランドのカジノ施設及び中小規模のホテル内にフランチャイズ方式で衛星カジノを展開するが、現時点で他陣営のような大型IR(統合型リゾート)と呼べる施設を運営しておらず、最も非カジノ部門の売上比率が低い。目下、コタイ地区で同社初の本格的なIRとなる「グランドリスボアパレス」の開発を進めている。今年上半期におけるグランドリスボアパレスの工事の進捗状況は順調とのこと。竣工予定時期は来年末とされている。

マカオ半島の中心部に位置するSJMホールディングスの旗艦施設「グランドリスボア」(資料)—本紙撮影

マカオ半島の中心部に位置するSJMホールディングスの旗艦施設「グランドリスボア」(資料)—本紙撮影

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