マカオのドッグレースで最終レース開催、87年の歴史に幕閉じる

アジア太平洋地域で合法ギャンブルとしてのドッグレースが唯一存続していたマカオだったが、昨日(6月30日)をもってすべてのレースを終了。1931年のスタート以降、87年(約20年の中断時期含む)という長い歴史が幕を閉じた。

ドッグレースはマカオ政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶマカオ逸園カニドローム社が運営。政府との契約期間が今年(2018年)7月20日で終了することになっており、政府は同社に対して翌21日までの退去を要請している。

かつてマカオのギャンブルの花形として栄えたドッグレースだが、近年はファンの高齢化、売上の減少、施設の老朽化が進み、さらには動物愛護団体から虐待だとする指摘を受けるなど、存続が厳しい状況が続いていた。

最盛期の1992年にはベット金額が5億パタカ(日本円換算:約68億円)超、納税額が3000万パタカ(約4億円)超を記録したが、直近の2017年のベット金額は4600万パタカ(約6億円)にとどまっていた。

最終日には興隆期を知る高齢者らを中心に多くの来場者で賑わった。

なお、退去時期が迫っていることから、運営会社はおよそドッグレースに所属する600頭にも上るグレイハウンド犬の行き先を決める必要があり、受け入れ先の確保に奔走している。

マカオは豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実は競馬、スポーツくじ(サッカー及びバスケットボール)、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッションを結ぶ民間事業者によって運営されている。

マカオ半島北部にあるドッグレース場の入場ゲート(資料)-本紙撮影

マカオ半島北部にあるドッグレース場の入場ゲート(資料)-本紙撮影

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