第66回マカオGP閉幕、F3はオランダのヴェルショールが初優勝…唯一の日本勢角田裕毅は11位

 マカオ・ギアサーキットを舞台に4日間にわたって熱戦が繰り広げられた「サンシティグループ第66回マカオグランプリ」が今日(11月17日)閉幕した。

 期間中、「サンシティグループフォーミュラ3(F3)マカオグランプリ - FIA F3ワールドカップ」、「SJMマカオGTカップ – FIA GTワールドカップ」、「サンシティグループマカオギアレース – FIA WTCR(ワールドツーリングカーカップ)」、「サンシティグループ第53回マカオモーターサイクルグランプリ」など6種のレースが開催され、日本を含む世界各国・地域から集結したおよそ160人のドライバーが屈指の難コースとして知られる全長6.2キロの市街地コースを駆け抜けた。

 最終日となる今日、「SJMマカオGTカップ – FIA GTワールドカップ」決勝、「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」決勝など計5レースが開催された。

「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」決勝レース=2019年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」決勝レース=2019年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

 午後3時34分スタートの「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」決勝には30台が出場。4番手スタートだったオランダのリチャード・ヴェルショール(所属チーム:MP Motorsport)がスタート直後から華麗な追い抜きで2位につける。その後、9周目でポールポジションだったエストニアのユリー・ビップス(Hitech Grand Prix)をかわしてトップに躍り出ると、安定した走りでトップをキープし、初優勝の栄冠に輝いた。

 前年2連覇を達成した英国のダニエル・ティクタム(Carlin Buzz Racing)はフリープラクティスでのクラッシュが影響して13番手スタート。結果は13位で、3連覇は果たせなかった。日本勢として唯一出場した角田裕毅(Hitech Grand Prix)は21番手からのスタートだったものの、11位でフィニッシュ。

 その他の注目選手では、元F1ドライバーでF3マカオグランプリ優勝経験(1995年)もあるラルフ・シューマッハの息子、デイビッド・シューマッハ(Sauber Junior Team by Charouz)は23番手スタートで21位フィニッシュ。昨年の決勝レースの大クラッシュで重傷を負い、今大会で復帰出場した18歳のドイツ人女性ドライバー、ソフィア・フローレシュ(HWA Racelab)は27番手でスタートしたものの、8周目に入ってすぐにリタイヤ。中継映像では、頬をつたう涙のようなものが見え、無念さを感じさせた。

「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」表彰式。リチャード・ヴェルショール選手が初優勝=2019年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」表彰式。リチャード・ヴェルショール選手が初優勝=2019年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

 F3マカオグランプリは若手ドライバーのF1への登竜門として知られる存在。優勝を持つアイルトン・セナやミハエル・シューマッハがF1ワールドチャンピオンに輝いた。2001年に日本人初優勝を飾った佐藤琢磨も翌年からF1に参戦した。

 このほか、大会3日目(11月16日)に開催された(10時30分スタート)「FOOD4Uマカオツーリングカーカップ」決勝には、日本人ドライバーが2人出場。昨年2位で日本人唯一の表彰台に上がった木下みつひろ(GTO Racing Team)は16位、谷川達也(Son Veng Racing Team)は17位でそれぞれフィニッシュ。

 今大会の6種のレースで日本勢の表彰台はゼロで、日本のモータースポーツファンにとってはやや物足りない結果となった。

 大会組織委員会の発表によれば、4日間累計では前回大会より3.6%増となる8万6000人だったとのこと。今大会は4日間を通じて好天に恵まれた。

 なお、今大会のF3マカオグランプリは、FIA-F3チャンピオンシップが導入した新規格を採用し、サーキットをFIAの分類における「グレード2」へアップグレード。サーキットの複数箇所で衝突保護フォームと新型安全クラッシュバリアの設置といった改良の実施、電子レース旗(デジフラッグ)の新規導入などが行われた。

決勝レースを前にマカオ特別行政区の崔世安(フェルナンド・チュイ)行政長官(左)と握手を交わすソフィア・フローレシュ選手=2019年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

決勝レースを前にマカオ特別行政区の崔世安(フェルナンド・チュイ)行政長官(左)と握手を交わすソフィア・フローレシュ選手=2019年11月17日、マカオ・ギアサーキット(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  世界保健機関(WHO)は毎年5月5日を「世界手指衛生の日」と、グローバルな啓発活動を展開。マカオ…
  2.  アジア有数の観光デスティネーションのマカオでは、年間最大の書き入れ時のひとつとなる五・一(労働節…
  3.  マカオ政府地球物理気象局(SMG)は5月3日、今年(2024年)4月の天気レビューを発表。 …
  4.  国際展示会大手のリード・エグジビションズ(RX)は5月3日にマカオで会見を開き、今年(2024年…
  5.  マカオ政府財政局(DSF)が5月2日に公表した最新統計によれば、今年(2024年)4月前半の住宅…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun