マカオ、2021年インバウンド旅客数は最大1000万人程度まで回復の見通し…前年は85%減の590万人

 コロナ禍で各国・地域が防疫対策のための水際対策を強化して臨む中、ボーダーを跨ぐ人の移動が大きく制限され、国際ツーリズム市場はかつてない苦境に立たされている。

 アジアを代表する国際観光都市のひとつとして知られるマカオでも、昨年(2020年)通期のインバウンド旅客数は前年から85%の大幅減となる約590万人にとどまった。

 マカオの特徴として、インバウンドに占める中国本土旅客の割合が大きく、およそ7割を占める。マカオと中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功。昨年7月中旬から段階的に往来制限が緩和された。これを受けて、7月以降のインバウンド旅客数は中国本土旅客がけん引するかたちで対前月プラスを維持している状況。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)は2月10日に開催したプレス向けの年次報告会の中で、中国本土における流行状況が徐々に安定し、ワクチン接種も進むことで、1日あたりのインバンド旅客数が3万人水準まで上昇すると期待されるとし、今年のインバウンド旅客数見通しを600万〜1000万人程度になるだろうとの見通しを示した。

 ただし、このところ中国本土で散発的な流行再発が出現しており、(年間最大の書き入れ時となる)春節ホリデーシーズンを地元で過ごすよう呼びかけが行われているため、この時期の旅客増は望み薄だとし、1日あたり旅客数は1.6万〜2万人程度にとどまる見込みとした。春節ホリデー期間中のホテル客室稼働率は平均3割程度とのこと。

 人口約68万人のマカオでは、新型コロナの封じ込めに成功している状況。直近およそ2週間で2人の新規感染確認があったが、ドバイとポルトガルからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。市中における感染確認に関しては2月10日まで318日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。2月6日には香港より先に新型コロナウイルスワクチンの第1便(シノファーム社製の不活化ワクチン10万本)が到着し、9日午前から接種がスタートしている。

マカオ政府旅遊局が開催したプレス向け年次報告会の様子=2021年2月10日(写真:MGTO)

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