中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は8省区で43人…無症状感染は47人で遼寧省が主=11/8

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、同月下旬には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現した。さらに、10月中旬以降は内陸部のシルクロード観光エリア一帯を訪れた国内団体旅行客の移動をきっかけとした伝播、黒竜江省黒河市を中心に新たな市中感染の広がりなどが出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月9日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月8日の中国本土における新規市中感染確認は43人(前日から22人減)だったとのこと。内訳は、河北省12人(辛集市11人、石家庄市1人)、黒竜江省8人(黒河市7人、ハルビン市1人)、四川省7人(成都市)、遼寧省5人(大連市)、甘肅省4人(蘭州市3人、天水市1人)、江西省3人(上饒市)、河南省2人(鄭州市)、雲南省2人(徳宏タイ族チンポー族自治州)。このうち甘肅省3人、河南省2人、四川省2人、黒竜江省1人の計8人が無症状感染から感染確認に転じたもの。中国本土で市中感染確認例が出現するのは24日連続で、3日ぶりに減少となった。市中の無症状感染例については7日連続で出現し、遼寧省27人(大連市)、河南省8人(周口市5人、鄭州市3人)、江西省6人(上饒市)、雲南省5人(徳宏タイ族チンポー族自治州)の計47人(前日から13人増)という。

 11月8日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1222人(うち輸入性が393人)で、重症者は27人(輸入性3人)。無症状の患者507人(輸入性350人)が医学観察下にあるという。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し10を超える省市とマカオへ波及した再流行、9月上旬に福建省のホ田市からアモイ市など省内の大都市に波及した約470人規模の再流行、9月下旬に黒竜江省ハルビン市を中心に出現した約90人規模の再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。9月の福建省と黒竜江省のケースは、いずれも一部地域にとどまり、省外への拡散は確認されていない。

 しかしながら、10月中旬以降、中国本土の多くの地域で感染力の強いデルタ株の市中感染例が散発している状況。内モンゴル自治区及び甘肅省を中心としたシルクロード観光地関連では、感染者の多くが観光のためエリアを跨いで移動していたことから、省区を越えて波及した。このほか、疫学調査及びウイルスゲノム解析から時期を同じくして別の輸入性感染例から市中感染につながった異なる伝播チェーンが各所で出現していることが判明したとのこと。10月中旬以降、再流行は全国約20の省市区へ拡大し、年初来最大規模となっている。

 このほか、マカオ特別行政区では11月8日まで30日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区でも同31日連続ゼロを維持した。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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