香港で77日ぶり新型コロナ市中感染確認例、患者は空港清掃スタッフの男性…オミクロン株感染者累計41人に=12/24

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、12月24日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は5人で、輸入関連性(市中)が1人、輸入性(海外からの入境者)が4人だったとのこと。市中感染確認例の出現は実に77日ぶりのこと。

 輸入関連性の患者は新界・屯門地区に居住する香港国際空港勤務の男性(64)で、新型コロナワクチンを2回接種済みで、N501Y及びT478K変異株感染、症状あり。最近の外遊歴はなく、空港での検査で初歩感染された人が病院搬送待ちの際に使うトイレの清掃を担当していたとのこと。当局によれば、患者はオミクロン株感染の可能性もあることから、最も厳格な防疫措置を講じているという。23日に香港国際空港で採取した環境サンプル26点の検査結果は全て陰性で、密接接触者約14人及び二次接触者約40人が検疫センターに移送されたが、これまでのところ本件に絡む新たな感染確認例は出現しておらず、目下、疫学調査及びウイルスゲノム解析を進めているとした。

 輸入性の患者は12月20日と22日にドイツ・アイルランド、ガーナ(エチオピア経由)、ナイジェリア(エチオピア経由)、オーストラリアから空路香港へ到着。いずれも新型コロナワクチン2回接種済みで、N501Y及びT478K変異株感染だった。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は25人以下という。

 香港における過去14日間(12月10日〜23日)累計の新規感染確認は72人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2556人(擬似事案1人含む)。

 香港の12月23日午後7時時点のワクチン接種率は72.0%(1回目の接種完了)、68.7%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は980万3512回、1日あたり接種回数は1万8490回(7日移動平均値1万4505回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は33万1352回。

 このほか、香港衛生当局は12月24日、香港で新たに7人のオミクロン変異株の感染者が確認されたことを明らかにした。ここまで香港で確認されたオミクロン株感染者は累計41人となった。

 香港衛生当局では、新型コロナの世界的な流行は依然として非常に深刻な状況にあり、より感染力の強い変異型ウイルスの症例が増加、またワクチンを接種した人の感染報告もあるとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)よう強く呼びかけている。

香港国際空港(資料)-本紙撮影

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