中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は20省市区で1226人…吉林省が主、広東省では33日連続=3/16

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月17日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月16日の中国本土における新規市中感染確認は1226人(前日から634人減)だったとのこと。内訳は、吉林省742人(吉林市455人、長春市268人、四平市11人、延辺朝鮮族自治州6人、松原市2人)、福建省99人(泉州市92人、アモイ市5人、三明市1人、寧徳市1人)、広東省83人(深セン市71人、東莞市7人、広州市4人、珠海市1人)、遼寧省62人(大連市38人、営口市21人、瀋陽市3人)、天津市48人(武清区21人、西青区10人、浜海新区6人、紅橋区5人、南開区4人、河西区1人、宝テイ区1人)、河北省38人(滄州市26人、廊坊市12人)、山東省36人(浜州市14人、青島市10人、威海市6人、臨沂市2人、徳州市2人、シ博市1人、煙台市1人)、浙江省27人(衢州市17人、嘉興市9人、紹興市1人)、陝西省26人(宝鶏市14人、銅川市4人、漢中市4人、西安市2人、咸陽市2人)、黒竜江省16人(ハルビン市)、甘粛省12人(蘭州市8人、蘭州新区4人)、上海市8人(嘉定区4人、徐匯区2人、黄浦区1人、閔行区1人)、広西チワン族自治区7人(鉄州市)、江蘇省5人(連雲港市3人、常州市2人)、雲南省5人(徳宏タイ族チンポー族自治州3人、昆明市1人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、北京市4人(東城区3人、朝陽区1人)、重慶市4人(沙坪ハ区2人、巴南区1人、江津区1人)、貴州省2人(遵義市)、安徽省1人(銅陵市)、江西省1人(南昌市)。このうち吉林省の11人、山東省の10人、天津市の5人、上海市と貴州省の各1人の計28人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは152日連続。4桁となるのは5日連続。

 市中の無症状感染例についても33日連続で出現し、吉林省415人(吉林市400人、延辺朝鮮族自治州6人、長春市5人、四平市4人)、河北省178人(廊坊市169人、滄州市9人)、上海市150人(浦東新区43人、嘉定区36人、閔行区17人、宝山区11人、虹口区10人、黄浦区8人、徐匯区5人、長寧区4人、普陀区4人、松江区4人、静安区3人、楊浦区2人、奉賢区2人、青浦区1人)、山東省96人(威海市50人、シ博市15人、青島市8人、浜州市8人、煙台市7人、イ坊市7人、徳州市1人)、遼寧省94人(大連市75人、瀋陽市14人、営口市4人、阜新市1人)、広東省70人(東莞市45人、深セン市20人、広州市2人、汕尾市2人、恵州市1人)、江蘇省67人(南京市26人、常州市18人、連雲港市14人、蘇州市7人、無錫市1人、鎮江市1人)、福建省42人(泉州市41人、竜岩市1人)、雲南省24人(徳宏タイ族チンポー族自治州23人、紅河ハニ族イ族自治州1人)、広西チワン族自治区23人(欽州市11人、崇左市10人、柳州市1人、防城港市1人)、黒竜江省13人(ハルビン市)、安徽省10人(馬鞍山市6人、銅陵市4人)、甘粛省8人(蘭州市6人、蘭州新区2人)、天津市7人(浜海新区4人、武清区2人、西青区1人)、内モンゴル自治区4人(通遼市)、浙江省4人(杭州市2人、嘉興市2人)、重慶市1人(沙坪ハ区)の計1206人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況で、3月16日まで33日連続。深セン市における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。深セン市と東莞市では、3月14日から7日間の予定でロックダウン及び全市民対象のPCR検査(期間中複数回受検)が行われており、公共交通機関の運休や必需品関連以外の商店が休業するなどしている。3月16日に広州市で複数の感染者が出現したが、このうち同月13日に高速鉄道を利用して市外から戻った1人が勤務先の定例検査を経て最初に感染確認された後、濃厚接触者に認定された同住者の感染確認が続いたのこと。汕尾市で出現した無症状感染者2人についても14日に高速鉄道を利用して市外から到着。珠海市で感染確認された患者は12日に福建省泉州市から自家用車で同市へ戻ったという。なお、マカオ大学に通う留学生1人が珠海市の感染確認例と同じエレベーターに乗り合わせて、この際に患者がマスク未着用であったことから濃厚接触者に認定、学生とマカオ大学キャンパス内で同じ場所に居合わせた人が二次接触者とされるに至ったが、これまでのところPCR検査は全員陰性とのこと。

 目下、広東省の2市のみならず、中国本土各地で全市レベル、地域レベルでのロックダウンが実施されている。

 3月16日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1万6615人(うち輸入性が2524人)で、重症者は16人(うち輸入性1人)。無症状の患者1万1029人(輸入性1729人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月16日まで157日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月16日までの累計は約96.2万人に。近日になってようやくピークを過ぎたとの見方が示されたが、依然として高止まりが続く。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査を実施するとアナウンス済み。港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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