中国本土の新型コロナ新規市中感染確認18省市区で1219人…無症状は4996人、上海市で事実上のロックダウン=3/27

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月28日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月27日の中国本土における新規市中感染確認は1219人(前日から2人増)だったとのこと。内訳は、吉林省1086人(長春市706人、吉林市367人、四平市11人、遼源市1人、松原市1人)、上海市50人(閔行区20人、徐匯区6人、宝山区5人、静安区4人、普陀区4人、浦東新区4人、嘉定区3人、黄浦区2人、虹口区1人、松江区1人)、遼寧省12人(瀋陽市5人、葫芦島市4人、鞍山市2人、営口市1人)、黒竜江省10人(ハルビン市9人、七台河市1人)、福建省9人(泉州市8人、南平市1人)、河南省9人(周口市8人、ラク河市1人)、天津市8人(西青区4人、静海区2人、河西区1人、河北区1人)、山東省8人(泰安市4人、浜州市3人、シ博市1人)、河北省7人(廊坊市3人、唐山市2人、秦皇島市2人)、広東省4人(肇慶市2人、深セン市1人、東莞市1人)、陝西省4人(安康市)、江蘇省3人(泰州市2人、徐州市1人)、安徽省3人(蕪湖市1人、淮南市1人、六安市1人)、浙江省2人(嘉興市1人、台州市1人)、江西省1人(南昌市)、広西チワン族自治区1人(桂林市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、甘粛省1人(蘭州市)。このうち吉林省の201人、福建省と陝西省の各4人、山東省の3人、天津市と浙江省の各2人、遼寧省の1人の計217人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは163日連続。4桁となるのは16日連続。

 市中の無症状感染例についても4996人に上った。近日は流行開始以来の最多を連日更新している。内訳は、上海市3450人(浦東新区1420人、閔行区596人、徐匯区274人、嘉定区249人、崇明区237人、松江区189人、宝山区89人、普陀区67人、静安区65人、黄浦区55人、長寧区46人、奉賢区45人、青浦区43人、楊浦区35人、虹口区26人、金山区14人)、吉林省907人(吉林市571人、長春市330人、四平市5人、松原市1人)、福建省179人(泉州市176人、ショウ州市3人)、河北省144人(唐山市108人、廊坊市35人、石家庄市1人)、遼寧省114人(瀋陽市65人、営口市38人、大連市8人、錦州市2人、遼陽市1人)、山東省58人(浜州市38人、イ坊市16人、青島市1人、泰安市1人、威海市1人、聊城市1人)、安徽省35人(淮南市14人、蕪湖市12人、銅陵市6人、淮北市1人、ジョ州市1人、阜陽市1人)、広東省18人(深セン市6人、肇慶市5人、東莞市3人、仏山市1人、茂名市1人、汕尾市1人、清遠市1人)、江蘇省16人(蘇州市7人、南通市5人、南京市1人、徐州市1人、揚州市1人、宿遷市1人)、黒竜江省15人(ハルビン市7人、ジャムス市7人、鶴崗市1人)、広西チワン族自治区12人(防城港市9人、桂林市2人、崇左市1人)、雲南省11人(徳宏タイ族チンポー族自治州5人、文山チワン族ミャオ族自治州4人、紅河ハニ族イ族自治州2人)、甘粛省11人(蘭州市10人、甘南チベット族自治州1人)、天津市8人(河北区3人、河東区2人、西青区2人、河西区1人)、江西省7人(南昌市6人、上饒市1人)、河南省5人(ラク河市3人、南陽市1人、周口市1人)、浙江省3人(杭州市1人、嘉興市1人、舟山市1人)、湖北省2人(鄂州市1人、黄岡市1人)、内モンゴル自治区1人(通遼市)。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況。ただし、近日の同省の感染確認数は低位を維持しており、状況が落ち着きつつあるとみられる。27日に茂名市で出現した無症状感染患者は香港から珠海市へ入境し、21日間の隔離検疫を終えて同市へ戻った後に受験した検査で陽性が発覚したという。

 吉林省では連日4桁台の新規感染者が確認され、深刻な状況が続く。このところ上海市では無症状患者の数が急増している。28日から市の東・南部と西部に分けて、順番に事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施される。各地域では対象期間中に自宅待機が求められ、路線バスや地下鉄などの公共交通機関も一時運休するとのこと。

 3月27日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万7745人(うち輸入性が914人)で、重症者は58人(輸入性はゼロ)。無症状の患者3万8649人(輸入性1358人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月27日まで168日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月27日までの累計は約111.5万人、死亡率は約0.63%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近2日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進む。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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