香港の新型コロナ新規感染者数6981人、5日連続1万人以下…第5波累計約113.8万人、死亡者は7493人に=3/30

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局が3月30日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から615人減(8.1%減)の6981人(輸入性5人含む)とのこと。5日連続で1万人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約113.8万人に。

 新規死亡確認数は医管局報告(遅延報告分含む)が135人で、医管局以外からの報告を合わせた第5波開始以来の累計死亡者数は7493人となった。

 当局では、新規感染確認者数はやや減少しているが、地元の2大学がすでに人口の多くが感染済みであるとする研究結果を明らかにしており、未感染の人は早めにワクチン接種を受けてほしいと呼びかけた。また、第5波下において多くの高齢者介護施設に絡む感染確認例が出現したが、直近2日間はゼロだったとのこと。ただし、先に発生したクラスター絡みの新規感染確認例は存在するため、状況は改善されたものの、完全な封じ込めには至っていないとの見方を示した。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したことを受け、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処を進めた結果、直近では入院待機状況が改善傾向にあるという。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開されている。

 香港の3月29日午後8時時点のワクチン接種率は92.0%(1回目の接種完了)、84.3%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は60.2%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。29日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は4万5367回で、7日移動平均は5万4412回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(81.7%)と80歳以上(57.6%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。

香港政府は高齢者及び障がい者に対する新型コロナワクチンの訪問接種を展開している。写真左は高齢者宅を訪れた香港公務員事務局の聶徳権(パトリック・ニップ)局長=2022年3月30日(写真:news.gov.hk)

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