マカオ、不動産市場加熱抑制策を全面撤廃へ…非居民の住宅ローン融資比率も緩和

 マカオ政府は「不動産需要管理に関する税制措置の撤廃」法案を制定し、取得印紙税のほか、物件購入後2年以内の名義変更に係る特別印紙税、主に非居民が購入する際にかかる追加印紙税の全面撤廃が盛り込まれた。

 マカオ行政会は4月12日に特別会見を開き、すでに同法案の審議を終えており、緊急案件として手続きを進め、立法会で可決の翌日から施行することを提案しているとした。

 行政会の張永春報道官は、近年様々なタイプの住宅が比較的豊富に供給される中、関連する印紙税の徴収を廃止する条件が整ったことを考慮し、タイムリーに法案を提出したとコメント。ただし、不動産市場の安定を維持するため、今後の状況に応じて、再び不動産需要管理措置を講じる可能性もあるとした。

 マカオ政府は(2024年)年初に住宅ローン融資比率の上限を緩和したほか、2軒目の物件の購入にあたり5%の取得印紙税を課さないとしたが、3軒目以上については10%の取得印紙税を維持していた。

 また、マカオ金融管理局(AMCM)も新たなガイドラインを発表し、非居住者の住宅ローン融資比率の上限をマカオ居民IDカード保有者と同じ70%まで緩和すると同時に、申請者に対する返済能力ストレステストを一時停止することが明らかとなった。

 2010年以来の長きにわたって続いてきたマカオ政府による税制や住宅ローンなど一連の不動産需要管理措置が終止符を打つことになりそうだ。なお、香港では先行して全面撤廃されている。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・新口岸エリア鳥瞰(写真:AMCM)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は5月15日、各イミグレーション施設で税関検査の強化を図るとともに、香港税…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営6陣営の一角にあたるサンズチャイナは5月15日、コタイ地区にあ…
  3.  きのう(5月15日)はマカオ及びマカオにとって第二の旅客ソースである香港でパブリックホリデーとな…
  4.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社の何超鳳(デイジー・ホー)常務董事(マネジ…
  5.  マカオ政府統計・センサス局は5月14日、今年第1四半期(2024年1〜3月)の住宅・商業テナント…

ピックアップ記事

  1.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun