マカオ、2025年1月のインバウンド旅客数は27.4%増の約365万人…日帰り旅客が顕著な増

 マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は2月20日、今年(2025年)1月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 今年1月のインバウンド旅客数は前年同月から27.4%増の364万6561人(延べ、以下同)。日帰り旅客が45.6%増の215万5279人、宿泊を伴う旅客が7.9%増の149万1282人。平均滞在時間は日帰り旅客の割合が増えたことで、0.2日短い1.0日に。宿泊を伴う旅客に限ると0.1日延びて2.2日。

 国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、33.8%増の275万0284人、全体に占める割合は75.4%。このうち「自由行」と呼ばれる個人観光旅行スキーム(Individual Visit Scheme=IVS)の旅客が44.0%増の160万6802人。第二の旅客ソースにあたる香港からの旅客は5.8%増の57万7983人、同第三の台湾からは28.8%増の7万7163人。

 国際旅客ソース(中国本土、香港、台湾以外から)は21.0%増の24万1131人。このうち東南アジアでは、フィリピン(4万8499人)、インドネシア(2万1579人)、マレーシア(1万1982人)がそれぞれが42.2%、54.6%、9.0%増。一方、タイ(9992人)とシンガポール(7874人)についてはそれぞれ26.6%、11.3%減。南アジアは、インド(6648人)が2.2%減。北東アジアについては韓国(6万5659人)、日本(1万2029人)で、それぞれ29.9%、13.0%増。

旧正月の春節を迎え大勢の旅客で賑わった人気撮影スポットのひとつ世界遺産・セナド広場の様子(資料)=2025年1月29日本紙撮影

 なお、IVS旅客が増加した背景として、今年1月1日からマカオと隣接する広東省珠海市の住民(珠海市戸籍者)が週1回マカオ渡航が可能となる「一周一行」簽註(=ビザに相当)、珠海市の横琴粵澳深度合作区の住民(戸籍者及び居住証保有者)については渡航回数に制限のない(マルチ)「一簽多行」簽註の申請受付がスタートしたことが挙げられる。1月のIVSの旅客のうち、一周一行が11万1698人、一簽多行が2万5933人だったとのこと。

 マカオでは一昨年(2023年)1月初旬からアフターコロナがスタートし、インバウンド旅客の急回復が進んだ。昨年通期のインバウンド旅客数は前年から23.8%増の3492万8650人、コロナ前2019年と比較した回復率は88.6%。今後、どのタイミングで2019年水準を回復するか、また政府が旅客ソースのダイバーシティ化を推進する目標を掲げ、各種施策を打ち出す中、国際旅客ソースの動向が注目点となる。

 マカオ政府旅遊局のマリア・エレナ・デ・セナ・フェルナンデス局長は1月17日に囲み取材へ応じた際、今年のインバウンド旅客数をほぼコロナ前2019年並みとなる3800万〜3900万人と見込んでいることを明らかにしている。

2024年と2025年のマカオの入境旅客数(インバウンド旅客数)推移比較表(図版:DSEC)

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