マカオ、2025年1Qの犯罪件数が前年比7%減に…カジノ関連犯罪は新法施行で増

 マカオ保安司司長(保安長官)弁公室は5月28日に会見を開き、今年第1四半期(2025年1〜3月)の犯罪統計及び法執行状況に関する総括レビューを発表した。

 今年第1四半期のマカオにおける総犯罪件数(犯罪捜査着手数)は3289件で、前年同時期から7.3%減だった。

 マカオ保安長官の黄少澤氏は、今年第1四半期の総犯罪件数は前年同時期を下回り、マカオの治安は総じて安定し、良好な状況にあるとの見方を示した。犯罪カテゴリー別では、重大暴力犯罪、薬物犯罪、窃盗、強盗といった民生に影響を及ぼすものはいずれも前年同期比を下回った。また、財産に対する犯罪は10.8%減の1949件で、このうち詐欺が15.4%減の555件。同局では、詐欺及びサイバー犯罪が減少傾向を示したものの、4月に人工知能(AI)のディープフェイク技術を使った詐欺事件がマカオで初めて確認され、同局ではこれに関連する犯罪の動向を注視し、抑止・奪還・撲滅の3本柱であらゆる詐欺犯罪に対処していく考えを示した。

 カジノ関連犯罪については61.5%増の567件。近年マカオでは「換銭党」と呼ばれる違法両替従事者らがカジノ施設内外で暗躍し、暴力、詐欺、窃盗、密航などさまざまな事件を引き起こしてきたことから、犯罪の温床として社会的問題化。対策の一環として、換銭党による賭博目的の違法両替行為を刑事罰の対象とするマカオの新法「打撃非法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が昨年10月29日に施行された。今年第1四半期の賭博目的違法両替罪の件数は161件に上り、カジノ関連犯罪件数急増の主要因となった。同局は、今後もカジノ関連犯罪の趨勢を注視し、取り締まりの最適化、適宜適切な対策を講じることで、マカオのカジノ産業の健全な発展と社会の安定確保に取り組んでいくとした。

2025年第1四半期のマカオ犯罪統計及び法執行状況に関する総括レビュー会見の様子。中央が黄少澤マカオ保安長官=2025年5月28日(写真:GCS)

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府統計・センサス局は11月21日、昨年(2024年)マカオの文化産業調査結果を公表。 …
  2.  マカオ政府統計・センサス局は11月21日、今年第3四半期(2025年7〜9月)の民間建築及び不動…
  3.  マカオ政府統計・センサス局が11月21日に公表した資料によれば、今年(2025年)10月の総合消…
  4.  マカオではアフターコロナで社会・経済の正常化が進む中、歩行者の禁止場所や赤信号での道路横断行為が…
  5.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角、SJMリゾーツ社系の衛星カジノ施設のひと…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…
  2.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  4.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  5.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  5.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…

イベントカレンダー

11月 2025
      1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
« 10月   12月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年12月号
(vol.150)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun